シロサケ産卵回帰における脳内TRHおよび血中PRL,T4の変化

タイトル シロサケ産卵回帰における脳内TRHおよび血中PRL,T4の変化
担当機関 中央水産研究所
研究期間 1993~1994
研究担当者 芦田勝朗
吉田勝俊
浜野かおる
鈴木満平
発行年度 1995
要約 魚類TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)は分布および生理作用ともにほ乳類とは異なることが示唆されている。シロサケ遡上時では嗅覚に関係すると予想される嗅球中のTRHが大きく変動し、そこには多くの産生細胞が存在していた。
背景・ねらい TRHは哺乳類では脳下垂体から甲状腺刺激ホルモン(TSH)を放出させることが知られている。このホルモンは魚類の脳中にも存在することが報告されているがその生埋作用は明らかではない。
本研究では、生体内の生埋機能が劇的に変化するシロサケ遡上時の、脳内各部位のTRHの濃度変化と血中ホルモン量を測定し、魚類におけるTRHの生理作用と血中ホルモンヘの関与を推定しようとした。
成果の内容・特徴
  1. 岩手県釜石市唐丹漁協定置網から捕獲したシロサケおよび片岸川に遡上したシロサケを用いた。体表の変化等を指標として、定置網で捕獲した婚姻色の出ていないもの(Class1)婚姻色の強いもの(Class2)、遡河後のもの(River)とに分けた。ラジオイムノアッセイにより遡上時の各段階における嗅球、嗅葉、視床下部および下垂体中のTRHの濃度を測定したところ、雄の嗅球および嗅葉中のTRH濃度は大きく変動しClass2で優位に高くRiverで最も低かった。雌においても同様の傾向が得られたが、雄ほど顕著ではなかった。視床下部および下垂体中のTRH濃度は雌雄とも段階が進むにつれ徐々に低くなった(図1、図2)。
  2. 血中PRL(プロラクチン)の濃度は産卵回帰の進行とともに高くなった。その現象は雌で顕著だった(図3)。血中T4(チロキシン)濃度は進行とともに低くなり(図4)、その傾向は視床下部および下垂体のTRHの変動と一致していた。
  3. 嗅球にはTRH産生細胞が多数存在しており、これらは嗅覚の情報伝違に重要な部分であることが確認された。
成果の活用面・留意点 神経ホルモンは動物体内の制御機構の最上位にあり、さまざまな行動に関与していると考えられている。これらのホルモンに関する研究は水産生物においてまだ不明な点が多く残されており、この生理作用を解明することは水産生物の行動及び生理現象を知る上で必要であると考えられる。
図表1 228980-1.gif
図表2 228980-2.gif
図表3 228980-3.gif
図表4 228980-4.gif
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