| タイトル |
ホンダワラ類の形態形成に及ぼす環境要因の影響 |
| 担当機関 |
南西海区水産研究所 |
| 研究期間 |
1994~1996 |
| 研究担当者 |
吉田吾郎
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| 発行年度 |
1996 |
| 要約 |
1年生のアカモクの分布、消耗と成長に浮泥の沈積が大きく影響すること及び多年生のノコギリモクの葉状部と付着器の発達に適する光と温度の条件が異なることを明らかにした。
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| 背景・ねらい |
近年、沿岸域において様々な原因により藻場の消失、衰退が進行し、漁業生産への影響が懸念されている。本研究ではガラモ場の形成と安定な維持に資する知見を集積するため、ホンダワラ類の形態形成・成長と環境要因の関係を解明する。
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| 成果の内容・特徴 |
- 広島湾奥部の大野瀬戸沿岸では、浮泥が多く、その着底基盤や藻体上への沈積が1年生ホンダワラ類アカモクの分布(図1)、消耗と成長(図2)に大きく影響していることが明らかになった。このような場所でアカモク藻場を存続させるためには、成長期に波浪など何らかの物理的撹乱により、付着基盤が刷新され、幼胚が着生できる場を形成させる必要があることが示唆された。
- 同一海域内でも、浮泥の積もりやすいところに分布している多年生のノコギリモクでは、葉状部と付着器の成長に最適な条件が異なることが明らかとなった。光量12.5~400μEm-1s-1の範囲において、葉状部の成長は50μEm-1s-1で飽和したが、付着器の成長は200μEm-1s-1で飽和した(図3)。また、葉状部の成長は25~30℃等の高温条件が望ましいが、付着器の成長には15~20℃が適していた(図4)。このことから、条件によってノコギリモク幼体の藻体内の同化産物の分配の様式が異なること、また、成長段階や生育環境に応じて光の補足、基盤への固着力などの成長特性が示唆された。
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| 成果の活用面・留意点 |
- ホンダワラ類の葉状部と付着器の発達に適する条件が異なるという本知見に基づき、波浪、光、水温などの培養条件を制御することにより、育苗技術の高度化等が期待でき、海藻養殖や藻場造成の技術に応用できる。
- ホンダワラ類の生残・成長に大きく関与する生育環境と形態など現れる成長特性との関係をさらに多くの種類で明らかにしていくことにより、藻場の維持・管理に有益な情報となる。
- 葉状部と付着器の発達に適する条件が異なる、というのは初めての知見である。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
育苗
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