シオミズツボワムシの増殖及び摂餌に及ぼす溶存酸素濃度の急激な低下の影響

タイトル シオミズツボワムシの増殖及び摂餌に及ぼす溶存酸素濃度の急激な低下の影響
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター能登島栽培漁業センター
研究期間 2003~2005
研究担当者 小磯雅彦
発行年度 2005
背景・ねらい 溶存酸素濃度は,種苗生産に用いられる海産ワムシ類に関しては低酸素にきわめて強いことが経験的に知られており,従来法大量培養技術としては具体的な数値を明示して論じられることはない。L型ワムシでは無酸素状態で全数死亡するまでに12時間を要することが知られている。一方,濃縮クロレラや濃縮ナンノの給餌により近年高密度化する大量培養では,濃縮餌料を一括して給餌することでDOの急激な低下が起こることから,通常の空気通気下で培養したワムシを低DO下に移し入れることにより,ワムシの増殖や摂餌等の培養状況に及ぼす影響を評価した。
成果の内容・特徴 DOの急激な低下がワムシの増殖や摂餌に及ぼす影響を明らかにするため,DO6.3mg/Lで培養したL型ワムシを窒素と酸素を混合通気して6.3,4.6,1.3,0.7および0.3mg/LにDOを調整した試験水に移し入れ,それぞれの日間増殖率,摂餌量,総卵率,離卵率および背甲長組成を調べた。4.6と1.3mg/L区では,開始から3時間後までの摂餌量が対照区の56%と24%まで低下したが,その後摂餌量が回復して24時間後の日間増殖率や総卵率に影響はなかった。一方,0.7と0.3mg/L区では,24時間の摂餌量が対照区の38%と20%まで低下し,日間増殖率や総卵率も大幅に低くなった。中でも0.3mg/L区では増殖率がマイナスに転じ,離卵率が高くなり,背甲長260μm以上の大型個体の割合が対照区の約半分に減少した。このことから,DOの急激な低下により摂餌量が減少すること,1mg/L前後の低DO下では僅かなDOの差によって増殖率や摂餌量に及ぼす影響が大きく異なることがわかった。
成果の活用面・留意点 ワムシの培養や栄養強化において,DO環境の急激な変化に留意することで,ワムシの生産効率が向上し,計画的な供給,利用が可能となる。
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図表2 229692-2.gif
図表3 229692-3.gif
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