キジハタの複合養殖技術の開発

タイトル キジハタの複合養殖技術の開発
担当機関 福井県水産試験場
研究期間 2004~2005
研究担当者 家接直人
根本茂
池田茂則
粕谷芳夫
発行年度 2005
背景・ねらい 本県の魚類養殖は過去に主養魚種であったマダイが衰退し、トラフグが生産額の8割以上を占めるに至っており、経営の安定化には魚種の多様化が必要である。市場性の高いキジハタは、出荷サイズ(500g)までに3年以上の養殖期間を必要とし、トラフグやマダイと比べコスト高やリスクが懸念される。一方、同じハタ科のマハタやクエでは、他の魚種と混合養殖することで摂餌を促し高成長を実現している。そこで、キジハタにおいて他魚種との混合養殖による成長促進の可否を検討した。
成果の内容・特徴 短期間(2~5ヶ月)の飼育試験を行い、混用する魚種、混養比率(尾数)および飼育密度を検討した結果、混養魚種には同サイズのマダイが適し(図1)、キジハタの混養比率を全体の75%程度とすることで最も高い成長がみられた(図2)。また2才魚(BW250~350g)の場合、20尾/tまでの飼育密度は成長に悪影響を及ぼさなかった。上記飼育試験の結果を基に実際の養殖現場において、1~3才魚を用いて約1年間の長期飼育試験を実施し、単独と混養における成長と生残を比較した。その結果、成長にいずれの年令群においても単独区と混養区における差はみられなかった(図3)。これは一部で寄生虫症の発症がみられたことと、キジハタより成長率の高いマダイが生簀網内で優位となったためであると考えられた。これを回避するためには、飼育途中からマダイを間引きキジハタの優位性を保つ必要がある。また、混養区の生残率は2才魚を除きおおむね単独区のそれを上回り、いずれも90%以上の生残がみられた(図4)。混養区における高い生残の要因の一つは、遊泳行動の変化(網角に高密度にとどまることなく、活発に網内全域を遊泳)による擦過症の軽減にあると考えられた。以上のことからキジハタ養殖に当っては、収益性の面からマダイとの混合養殖が有効と考えられた。
成果の活用面・留意点
  • 「キジハタ養殖指針」および「キジハタ種苗生産」マニュアルを作成し、県海水養魚協会会員および関係機関に配布し普及を図る。
  • 養殖魚種が増えることによって単一養殖魚種のリスクが軽減され、またブランド化によって観光資源の一つとして展開できる。
図表1 229735-1.gif
図表2 229735-2.gif
図表3 229735-3.gif
図表4 229735-4.gif
カテゴリ 経営管理 コスト 出荷調整

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