| タイトル | クロマグロの種苗生産における水流発生方法の検討 |
|---|---|
| 担当機関 | 独立行政法人水産総合研究センター奄美栽培漁業センター |
| 研究期間 | 2002~2005 |
| 研究担当者 |
二階堂英城 |
| 発行年度 | 2005 |
| 背景・ねらい | クロマグロの種苗生産時の減耗時期として、日齢10までの減耗と体長7mm以降に発生する共食いを主原因とする減耗の2点が挙げられる。飼育初期の減耗要因は、クロマグロ仔魚が水槽底面に沈降して死亡することにあると考え、飼育水に水流を発生させることで仔魚の沈降の防除を検討した。 |
| 成果の内容・特徴 | 水流の発生方法として水中ポンプとエアブロックを使用する方法を検討し、日齢10までの生残状況と流向流速および水深毎の仔魚の分布状況を調査した。水中ポンプを使用する方法では、水槽中央部に設置した角形ストレーナー内に水中ポンプを設置し、水槽底面に設置した十字型塩ビパイプ(約10cm間隔で1.0mmの穴)から飼育水を噴出させて水流を発生させた。エアブロックによる方法は水槽底壁面に設置した散気ホースから通気により水流を発生させた(図1)。 各方法でそれぞれ2回の飼育を行ったところ、日齢10の生残率は、水中ポンプ使用では35.9%と62.4%、エアブロック使用では5.5%と6.3%となり、水中ポンプの使用で良好な生残が得られた(図2)。水槽内の流向と流速は、水中ポンプは底面からの上昇流が強い傾向が認められた(図3)。 日齢3~4で両者の生残に差が生じ、仔魚の水深別の分布は、エアブロックでは日中、夜間ともに底面に仔魚が分布するのに対し、水中ポンプでは、日中は中層以上、夜間でも水深2.0m以上に分布し、底面には分布しなかった(図4)。 以上のことから、日齢10までのクロマグロ仔魚の飼育では水中ポンプを用いた水流の発生方法が、生残の向上に効果があることが示された。 |
| 成果の活用面・留意点 | 水中ポンプで水流を発生させる方法は、底部の塩ビパイプの設置角度や水中ポンプの出力を調整することで流向流速のコントロールが可能である。クロマグロの種苗生産において、さらに詳細な流向流速と設置角度等の検討を行い、より適した水流条件を調査する必要がある。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| カテゴリ | 病害虫 防除 |