カツオ卵巣のホスホリパーゼA1について

タイトル カツオ卵巣のホスホリパーゼA1について
担当機関 静岡県水産試験場
研究期間 2003~2004
研究担当者 平塚聖一
発行年度 2005
要約 カツオ卵巣のリゾホスファチジルコリン(LPC)含量・ホスホリパーゼA1(PLA1)活性を海産6魚種と比較した。カツオ卵巣はLPC含量が高く、かつPLA1活性も高かった。精製リン脂質を基質としてカツオ卵巣粗酵素で加水分解したところ、リン脂質中のLPC組成比70%、脂肪酸中のDHA組成比57%のリン脂質が得られた。本研究の結果、カツオ卵巣粗酵素の活用により2-acyl型リゾリン脂質の濃縮が可能であると考えられた。
背景・ねらい 鰹節、なまり節、缶詰などの加工工程では、頭や内臓などが大量に排出される。これらの大部分は飼肥料に再加工されてはいるものの利用価値は低く、業界から高付加価値製品の開発を熱望されている。本研究では水産加工廃棄物の一つである卵巣の利用を図る目的で、粗酵素を抽出して性状を調べるとともにそれを活用してDHA結合型リン脂質の濃縮を行った。
成果の内容・特徴
  1. カツオ、クロマグロ、キハダ、マサバ、ゴマサバ、シロサケ、スケトウダラの卵巣及びカツオの普通肉、血合肉、肝臓、精巣を材料とし、これらの脂質組成及び脂肪酸組成を分析するとともに粗酵素を抽出してホスホリパーゼA1(PLA1)活性を測定した。
  2. カツオ卵巣リン脂質のリゾホスファチジルコリン(LPC)組成比は他魚種卵巣のそれと比較して著しく高かった。
  3. 7魚種における卵巣リン脂質のDHA組成比はスケトウダラを除いていずれも30%以上であり、カツオで40.2%と最も高かった。
  4. カツオ卵巣粗酵素のPLA1活性は全試料中で最も高かった(図1、2)
  5. カツオ卵巣粗酵素はpH6~7、20~30℃でPLA1活性が高く(図3)、Ca2+濃度依存性は低かった。また、ホスファチジルエタノールアミン(PE)よりもホスファチジルコリン(PC)をよく加水分解した。
  6. カツオ・マグロ類卵巣から得た精製リン脂質を基質として、カツオ卵巣粗酵素を20℃で4時間反応させた結果、リン脂質中のLPC組成比は反応開始時の20%から70%まで上昇した。また、脂肪酸中のDHA組成比は反応開始時の34%から57%まで上昇した(図4)。
  7. 以上の結果から、カツオ卵巣粗酵素の活用により2-acyl型リゾリン脂質の濃縮が可能であると考えられた。
成果の活用面・留意点 今後は工業規模での酵素抽出及びDHA結合型リン脂質の製造技術を確立させて、試薬や健康食品として商品化を図りたい。
図表1 229757-1.gif
図表2 229757-2.gif
図表3 229757-3.gif
図表4 229757-4.gif
カテゴリ 肥料 加工 高付加価値

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