アユ資源回復のための適切な禁漁措置とその効果

タイトル アユ資源回復のための適切な禁漁措置とその効果
担当機関 山形県内水面水産試験場
研究期間 2004~2005
研究担当者 桂 和彦
高澤俊秀
発行年度 2005
背景・ねらい 山形県では天然アユの遡上量減少に伴うアユ漁業の不振が、漁業のみならず観光産業にまで影響を及ぼしている。アユ資源を回復させる手法の一つに親魚保護による産卵量の確保が挙げられる。そこで、最上川に遡上した天然アユの産卵日を推定し、効果的な禁漁期を提案するとともに、禁漁実施の効果を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 県内の主要漁場における海産アユの資源構成が把握できるように、最上川の河口に近い支流の鮭川、その上流にある小国川、丹生川、更に上流域の上郷ダム魚道内で海産アユの標本を採集して解析に用いた(図1)。標本は冷凍して持ち帰り計数形質を測定後、耳石を抜き取り、日周輪の解析からふ化日、産卵日を推定した。
  2. その結果、最上川に遡上した海産稚アユの産卵日は9月上旬~11月中旬にまで及んでいるが、9月中旬~10月中旬産まれが多く、その中でも10月上旬に集中していることが明かになった(図2)。
  3. このことから10月上旬を中心に禁漁期を設定するのが親魚保護に効果的であるとの提案を行い、平成16年10月1~7日までの7日間の禁漁が実施された(県内水面漁場管理委員会指示)。
  4. 実際に、最上川水系の簗場3カ所における漁獲量の推移をみると平成16年度は、禁漁期の設定によって10月上旬の漁獲は制限されており(図3)、産卵加入する親魚は着実に保護されたと考えられた。
  5. また、鼠ヶ関川における平成13~15年の遡上・定着稚魚数から産卵親魚への加入率は11.8~17.8%の間で推移していたが、禁漁を実施した平成16年度の加入率は44.4%と大幅に増加した(表1)。
  6. さらに、鼠ヶ関川における遡上稚魚数(投網によるCPUE)は4.2(尾/網)であり、豊漁であった平成13・14年に次ぐ水準まで回復した(図4)。
成果の活用面・留意点 産卵親魚の保護によって資源水準が回復する可能性が示唆された。しかし、翌年の遡上量は産卵量や仔魚の量だけでなく、海域における仔稚魚の生き残りの良否が大きく影響していると考えられる。このため、海域におけるアユの減耗要因を明らかにする必要がある。
図表1 229769-1.gif
図表2 229769-2.gif
図表3 229769-3.gif
図表4 229769-4.gif
図表5 229769-5.gif
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