| タイトル | 高水温処理による安全・簡便なヒメマス偽雄作出技術 |
|---|---|
| 担当機関 | 独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所 |
| 研究期間 | 2004~2005 |
| 研究担当者 |
東 照雄(中央水研) 加賀豊仁(栃木水試) |
| 発行年度 | 2006 |
| 背景・ねらい | 私たちヒトと同じようにXX-XY型の性染色体を持つ魚の全雌生産には,遺伝的には雌でありながら機能的には雄である” XX型♂”,いわゆる”偽雄”の作出が不可欠である(図1)。自然界では環境因子により性転換する魚は数多く知られている。サケマス類はXX-XY型の魚であるが,遺伝的な性が極めて安定していて,環境因子により性転換することはないと長らく考えられてきた。しかし,近年,我々はヒメマスを対象として初期生活期における高水温処理により,遺伝的雌を機能的雄へ性転換できることをサケ科魚類ではじめて明らかにした(Azuma et al. 2004)。この処理技術を応用すれば,安全かつ簡便に偽雄を大量生産することが可能となる。ただし,これまでの方法では,生残率が低く,処理期間が3か月という長期間に及び,直ちに実用化には結びつかない。そこで,本研究では,これまでの研究を発展させて,処理期間を大幅に短縮し,雄化率・生残率とも大きく高めることを目指した。 |
| 成果の内容・特徴 | 1.予め,雌性発生技術を用いて,全雌ヒメマスを作出し,実験供試魚とした。 2.処理強度として,18℃,16℃及び14℃の高水温区を設けた。 3.処理期間として,それぞれの高水温区ごとに,ふ化直前から1週間単位で4週間までの4区,またその1週間後から同じく4週間までの4区,計24区の試験区を設けた。 4.ふ化開始直前から高温処理を始めると18℃-1週間で90%以上の雄化率・生残率が得られた(図2)。 5.開始時期が1週間遅れると雄化率は顕著に低下した。 6.処理温度が低いほど,雄化率も低下したが,14℃-1週間処理でも,46%の雄化率が得られた。 |
| 成果の活用面・留意点 | ・本研究により,環境と魚に優しい,安全,簡便かつ大量処理可能な実用レベルの偽雄作出技術が確立された。 ・養殖生産への活用には,90%以上の生残率および95%以上の雄化率が得られた”ふ化直前からの2週間18℃処理”が推奨される。 ・当技術を導入した「全雌ヒメマス・全雌三倍体ヒメマス種苗生産および養殖技術」は「三倍体魚等の水産生物の利用要領」へ適合していることが水産庁より確認された( H18.8.22)。 |
| 図表1 | 229909-1.pdf |
| カテゴリ |
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