床固工のスリット化にともなう河川の物理環境と水生生物の変化

タイトル 床固工のスリット化にともなう河川の物理環境と水生生物の変化
担当機関 山梨県水産技術センター
研究期間 2004~2006
研究担当者 加地弘一
発行年度 2006
背景・ねらい
渓流域には様々な目的で河川横断工作物(以下、堰堤)が多数設置されている。堰堤の多くは魚類の移動障壁となったり、上流側に土砂が堆積し環境が平坦化して水生生物の生息空間が減少することが知られている。そこで、既設堰堤をスリット化した河川で、スリット化前後の物理環境と水生生物の変化について調査した。

成果の内容・特徴 ・ 堆積していた土砂が排出され、底質が大型化した(図1、図2)。特に浮き石が増加した(図3)。

・ スリット化前に比べ、スリット化後では流れが複雑になり多様化した(図4)。すなわち、スリット化前には狭い範囲を一様に流れていたが、スリット化2年後では、流れ幅が広がり、横方向や反転流も出現していた。

・ 測定点の環境(水深、流速、流向、底質)をクラスタ解析したところ、スリット化前は平均的な環境のクラスタ1が中心だったが、スリット化後は反転流のクラスタ6や、底質の大きいクラスタ5など多様なクラスタが出現した(表1,図5)。

・ スリット化直後は魚類が減少したが、その後底生魚が増加した(図6)。

・ スリット化前は堆積卓越環境の水生昆虫の比率が高かったが、スリット化後は浸食卓越環境の水生昆虫の割合が増加した(図7)。

成果の活用面・留意点
・ 堰堤により魚類の移動阻害や生息環境が減少した場所において、それらの解消を目的として魚道設置に換わる新たな手法としての普及が期待される。

・ 適応可能場所の検討や、防災面での機能確保には留意が必要である。


図表1 229913-1.pdf
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