ハモ仔魚の初期飼育に成功

タイトル ハモ仔魚の初期飼育に成功
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター志布志栽培漁業センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 加治俊二
発行年度 2006
背景・ねらい
レプトケファルス幼生期を持つウナギ目の魚類にはハモ、ウナギ、マアナゴなどの重要な水産資源が含まれるが、その種苗生産技術は難しく、近年、ウナギの仔魚飼育に試験的なレベルで成功しているに過ぎない。ハモは漁獲量の減少が著しく、最盛期の1割程度しか漁獲量がない。また、養鰻業においては、種苗を100%天然産に依存しており、シラスウナギの不足が大きな問題となっている。このため、ウナギ目魚類の種苗生産技術の開発が期待されている。
 そこで、種苗生産技術開発の足がかりを得るため、仔魚の初期飼育方法の開発に取り組む。その中で、ハモについてはウナギ仔魚飼育技術をベースとして試験的規模での飼育技術の開発に取り組む。

成果の内容・特徴 前年度までレプトケファルス型魚類の親魚養成技術開発で得られた仔魚を用い、ウナギ仔魚飼育方法に準じて飼育試験を繰り返し試みてきたが、一部の個体で摂餌がみられたものの無給餌と同様の生残状況で最長でも日齢11(平均8.5)で全て死亡し、成長も認められなかった。ハモ仔魚は負の走光性がウナギ仔魚のように明瞭でなく摂餌開始時期には上向きに遊泳する個体と下向きに遊泳する個体に分かれる。このため、飼育容器底に液状飼料を添加しても摂餌できるのは後者のみであり、その摂餌状況もウナギ仔魚に比べ悪かった。一方、仔魚の行動観察を行った結果、照度を高めると下向きに遊泳する個体の割合が高まることが判明した。そこで、今年度は照度を10倍として14事例の飼育試験を行った。その結果、生残状況は最長で日齢43(平均23.8)まで延び、5事例では明らかな成長が認められ、最大個体は全長25mmで、その成長速度は0.4mm/日であった。今回の結果により、ハモ仔魚もウナギ仔魚飼育方法に準じた飼育方法で飼育可能であることが判明した。今後、さらに飼育条件を検討し、初期飼育成績の向上を図りたい。

成果の活用面・留意点
・ハモ仔魚の飼育技術開発に大きな足がかりができた。
・ハモは資源的に重要なウナギ目魚類で唯一自然産卵が可能な魚種であり、質の高い仔魚の確保が可能である。このため、レプトケファルス幼生期を持つウナギ目魚類の仔魚の種々の特性を把握する上で好材料となり、今後のウナギ目魚類の仔魚飼育技術開発に大きく資する。


図表1 229917-1.pdf
カテゴリ 飼育技術

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