| タイトル | ニシンおよびキュウリウオ科魚類仔魚の分子生物学的種判別技術の開発 |
|---|---|
| 担当機関 | 独立行政法人水産総合研究センター北海道区水産研究所 |
| 研究期間 | 2006~2010 |
| 研究担当者 |
守屋歩 松原孝博 森岡泰三 大久保信幸 澤口小有美 |
| 発行年度 | 2008 |
| 背景・ねらい | ニシンは19世紀中盤に漁獲量が100万トンに達した重要資源であるが、近年漁獲は低迷を続けている。本種の資源を安定的に維持し持続的な利用を図るため、北海道を中心に地域性ニシンの種苗放流が実施されている。種苗放流により再生産資源の増大を達成するには、産卵場や天然発生仔魚の生態特性を把握しておくことが重要であるが、ニシン目魚類の仔魚は同目あるいはキュウリウオ科魚類の仔魚と形態的に類似しているとともに同所的・同時的に生息し採集物の区別が困難である(図1)。本研究では、ニシンの初期生態調査の精度向上を目指し、分子生物学的手法を導入して、熟練を必要としない仔魚の種判別技術を開発することを目的とした。 |
| 成果の内容・特徴 | 道東域の汽水湖の中で厚岸湖を対象に、そこを再生産の場とするニシンおよびキュウリウオ科の仔魚について新たな初期生態調査技術の開発に取り組んだ。ニシンおよびキュウリウオ科魚種であるチカ、キュウリウオ、シシャモ、シラウオの仔魚を分子生物学的手法により判別するため、対象とする遺伝子として卵黄タンパク前駆体であるビテロジェニン遺伝子を選定し、cDNAの解析を行った。ビテロジェニンは分子量の大きなタンパクで、主として胚や仔魚の栄養としての機能しか持たないことから、近縁種間でも遺伝子に変異が見られることが予想された。ニシンビテロジェニン遺伝子については3つのタイプの全長を解析した。また、キュウリウオ科の4種においても、それぞれ3つのタイプのビテロジェニンについて全長の90%以上の塩基配列を解析し、魚種間で比較を行い、それぞれの種に特異的な配列を持つ場所を特定した(図2)。それをもとに種特異プライマーを作製し、アルコール固定した仔魚から抽出したゲノムDNAサンプルを用いてPCR法による種判別技術を確立した(図3)。 |
| 成果の活用面・留意点 | 従来の顕微鏡観察による形態的種判別では高度な熟練とホルマリン標本を必要とした。今回開発した手法は、コストと時間は掛かるものの熟練を必要とせず、誰もが簡便に種判別できる点が特徴である。この技術を用いて今後、厚岸湖、厚岸湾におけるニシンの初期生態調査を進めることを予定している。また、漁獲の多いシシャモやシラウオの資源量調査にも適用することが出来る。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| カテゴリ | きゅうり コスト |
| 組換え作物に導入した遺伝子が不活性化されるしくみの一端を解明 |
| トリフルラリンにより誘導した2核性花粉が示す単受精 |
| 維持型メチル基転移酵素の発現抑制による核移植胚DNAメチル化状態の低減化 |