| タイトル | 根室湾における放流サケ稚魚に対する海洋環境の影響とその変動要因 |
|---|---|
| 担当機関 | 独立行政法人水産総合研究センター北海道区水産研究所 |
| 研究期間 | 2007~2010 |
| 研究担当者 |
東屋 知範 |
| 発行年度 | 2008 |
| 背景・ねらい | 根室湾は、西別川や当幌川などで放流されたサケ(Oncorhynchus keta)稚魚が、生活史上最初に暮らす「海洋」である。その水温・塩分分布は定常ではなく、湾へ流入する河川水や外洋水により季節変動を示す。本研究ではサケ稚魚放流期間中の本海域における水温・塩分環境の実態を調べ、サケ稚魚放流期間の海洋物理的環境がサケの初期生活史にとって適・不適を判定するための基礎的知見を得る。また、新たに数値海洋モデルの導入によって同海域の環境変動要因を明らかにする。 |
| 成果の内容・特徴 | 根室湾において2007年4月下旬~7月下旬までの計10旬に海洋観測(定点を図1に示す)とサケ稚魚の採集が行われた。また、本調査期間中、水温・塩分の連続時系列変化を把握するため、データロガーが西別川河口1.4km沖に設置された。 ・本調査海域では、表面水温は沿岸から沖合に向い低下しており、サケ稚魚が分布する沿岸近くでは5月下旬~6月上旬までサケ稚魚の適水温帯(8-13℃)であった(図2)。 ・表面塩分は沿岸から沖合に向い塩分濃度は高くなるが、その分布は旬毎に変化し、一定のパターンは見出されなかった。 ・サケ稚魚の分布域は、表面塩分の低い海域(<31.00)と必ずしも一致していなく、サケ稚魚分布と塩分分布との相関性は低いことが認められた。 ・海面熱フラックス・風・河川流入で駆動される数値海洋モデルは、データロガーの水温・塩分値の時間変化を再現していることが分かった(図3)。また、流れ場(風)は水温と同様にはサケ稚魚の時空間分布に影響を及ぼしているかもしれないことが示唆された。 |
| 成果の活用面・留意点 | (1) 根室湾における2007年のサケ稚魚降下時の水温環境のモニタリング結果から、当該年におけるサケ稚魚の放流時期は適切であったことが検証できた。 (2)今後、数値海洋モデルとサケ稚魚を模した粒子追跡実験を行い、サケ稚魚(粒子)の経験水温を調べることで、適正放流時期の精度向上が期待できる。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| カテゴリ | 季節変動 モニタリング |
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