| タイトル | 食品添加物の有機酸を用いてトラフグに標識を施す技術 |
|---|---|
| 担当機関 | 栽培資源部 |
| 研究期間 | 2007~2010 |
| 研究担当者 |
太田健吾 |
| 発行年度 | 2008 |
| 背景・ねらい | トラフグは,市場で高値で取引される高級魚であり,東海地方,瀬戸内海地方及び九州地方を中心に種苗生産と放流が行われている。本種の放流調査には,試薬による耳石の蛍光標識,蛍光イラストマー標識,アンカータグ標識等が用いられているが,これらの標識では素材が高額なため,経済的な負担が大きいことや,放流後に脱落,消失することが問題となっている。また,近年は国民の「食の安全」への関心が高まっており,人体への安全性が担保される標識の開発が望まれている。そこで,標識素材として食品添加物の有機酸(クエン酸)を用い,これらでトラフグの体表を標識することを検討した。 |
| 成果の内容・特徴 | 食品添加物として広範に利用されているクエン酸の飽和溶液を市販綿棒の綿球部分に染み込ませ,トラフグの頭部体表に約1秒間接触させた結果,当該部位の表皮の粘膜は白く変色し,48時間以内に体表から剥離した(図1,2)。その後,供試魚は死亡せず,粘膜が剥離した部位は周囲のそれとは異なる状態を呈したことから,この素材は標識として利用できる可能性が示唆された(図3)。装着した標識は,装着後3ヶ月目まで,識別が可能であり,引き続き,識別可能期間を調査中である。標識剤の単価を既存の蛍光イラストマー標識及びアンカータグ標識と比較した(表1)。1尾あたりの標識に要する溶液の量を10μLとすると,クエン酸での単価は約0.02円となり,これらは蛍光イラストマー標識(22円)の1/1100,アンカータグ標識(1.65円)の1/82となり,標識経費が大幅に軽減されることが期待できる。 |
| 成果の活用面・留意点 | ・食品添加物の有機酸の標識剤としての適性が明らかとなり,食の安全に配慮した標識が使用される。 ・標識装着コストの低減が図れる。 ・魚体への負担が少ない標識技術を用いて多様な部位を標識することで,より多くの放流群を識別することが可能となる。 |
| 図表1 | 230129-1.pdf |
| カテゴリ | コスト |
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