| タイトル | 河川のアユに発生したEdwardsiella ictaluri 感染症 |
|---|---|
| 担当機関 | 魚病診断 |
| 研究期間 | 2007~2007 |
| 研究担当者 |
永井崇裕 釜石 隆 研究協力;飯田悦左(広島県) 佐野元彦(養殖研) 坂井貴光 三輪 理 中井敏博(広島大学) 天社こずえ(山口県) 湯浅 啓 有馬多恵子(東京都) |
| 発行年度 | 2008 |
| 背景・ねらい | 近年、河川のアユにおける冷水病の被害が大きいが、冷水病の症状を示さないアユの死亡魚が2007年8月中旬から10月上旬にかけて東京都、山口県および広島県の河川で発見された。病魚は投網や刺し網で捕獲された際に確認された。また、瀕死状態で流れの穏やかな湾処に停留したり、流れに押し流されているアユも多数観察された。病魚の体重は10数gから100gを超えるサイズまで様々であった。発生時の水温は20~26℃であった。そこで3県の河川でみられたアユの死亡の原因究明を目的として臨床観察、病理組織検査、細菌検査及び分離細菌の実験感染を実施した。 |
| 成果の内容・特徴 | 病魚の症状は共通しており、体表及び肛門部の発赤、眼球突出、血液の混じった腹水の貯留が認められた。病理組織学検査では、検査した3個体とも心臓及びその周辺に短桿菌が多数観察され(図1)、うち2個体では囲心腔に炎症反応がみられた(図2)。また、1個体の脾臓と腎臓は水腫状態であり、肝臓には局所的な細胞の壊死が認められ(図3)、これらの臓器にも短桿菌が多数観察された。鰓、膵臓及び胃には顕著な病変は認められず、菌も観察されなかった。死亡魚の腎臓または肝臓の塗抹標本には短桿菌が多数観察された。腎臓や脾臓からは、TSA培地により純培養状に細菌が分離された。分離菌株を用いた感染実験では、6.5×106、104、102CFUの腹腔内接種によりそれぞれ100%、80%、10%が死亡し、死亡魚には自然発病魚と同様の症状が認められた。分離菌について形態学的・生理学的・生化学的性状を調べたところ各県から分離された菌は同一の性状を示し、Edwardsiella 属に分類された。さらに、16S rRNA、dnaJ及び線毛の遺伝子について塩基配列解析を実施したところ各分離菌の配列は完全に一致し、Edwardsiella ictaluri に対して高い相同性を示した(表1)。以上の結果から河川のアユにみられた本死亡の原因はE. ictaluri による細菌感染症であると考えられた。 |
| 成果の活用面・留意点 | Edwardsiella ictaluriによる感染症は国内で初めての確認であり、本症状を伴う病魚及び保菌魚の移動を回避することがまん延防止のために重要である。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| カテゴリ | ICT |
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