新規顆粒性澱粉合成酵素遺伝子:GBSSⅡ

タイトル 新規顆粒性澱粉合成酵素遺伝子:GBSSⅡ
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1997~2001
研究担当者
発行年度 1999
要約 小麦に、新規顆粒性澱粉合成酵素(Granule Bound Starch Synthase Ⅱ:GBSSⅡ) を確認し、その遺伝子をクローン化した。GBSSⅡ遺伝子は、胚乳・花粉で発現する既知GBSSⅠ(waxy)遺伝子とは異なる遺伝子座に座乗する。
背景・ねらい アミロースは、イネ、コムギ等の穀類の澱粉特性に大きな影響を与える重要な物質であり、その合成はADPグルコースを基質として、顆粒性澱粉合成酵素 (Granule Bound Starch Synthase:GBSS)によってなされる。イネ科作物では、GBSS(=waxy)遺伝子に変異が生じることにより、アミロースが胚乳澱粉から欠失しアミロペクチンのみからなるモチ澱粉を持つモチ変異体になることが知られている。しかしながら、モチ小麦においては、GBSS遺伝子が完全に機能を失ったにもかかわらず、果皮澱粉にアミロースが確認され、既知のGBSS遺伝子とは異なる同遺伝子の存在が示唆された。そこで本研究では、新たなGBSSの存在の確認およびその遺伝子のクローン化をおこなった。
成果の内容・特徴
  1. 小麦の果皮澱粉には、GBSS活性が検出されると同時に分子量59kDの結合タンパク質が検出される。そのタンパク質のN末端のアミノ酸配列は、既知GBSSタンパク質と相同性を示し、基質の結合部位となるアミノ酸配列(KTGGL)を有する(図1)。しかしながらその配列は、小麦胚乳澱粉に検出される61kDの既知GBSS(Wxタンパク質)とは異なる。既知同酵素をGBSSⅠとし、新規結合タンパク質をGBSSⅡとする。
  2. ジャガイモGBSSに対する抗体により、cDNAライブラリーより得られた GBSSⅡ遺伝子(AF109395)の大きさは2081bp(コーデング領域1799bb)である。小麦GBSSⅠ遺伝子との間の相同性は、塩基レベルで57%、タンパク質レベルでは65%程度である。GBSSⅡは、単子葉より双子葉植物のGBSS遺伝子により高い相同性を示す(図2)。
  3. 小麦GBSSⅠ遺伝子は、第7同祖染色体群に座乗するが、GBSSⅡは第2同祖染色体群に座乗する。またGBSSⅡ遺伝子はコムギ以外のイネ科作物(イネ、トウモロコシ、大麦) にも存在する(図3)。
  4. GBSSⅡ遺伝子は胚乳では発現しないが、果皮、茎葉等で発現しており、GBSSⅠは貯蔵組織の澱粉合成に、GBSSⅡは栄養器官の澱粉合成に関与する。
成果の活用面・留意点
  1. GBSSⅠ及び遺伝子は、互いにクロスハイブリしない。
  2. GBSSⅠ及び遺伝子は異なる器官で発現しており、器官特異的遺伝子発現の機構を解明するために活用できる。またGBSSⅡのプロモーターは、形質転換において目的遺伝子を胚乳以外の組織で発現させるために有効と考えられる。
図表1 231469-1.gif
図表2 231469-2.gif
図表3 231469-3.gif
カテゴリ 小麦 とうもろこし ばれいしょ

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