ビトリフィケイション法を用いたキク等の植物の培養茎頂の液体窒素保存

タイトル ビトリフィケイション法を用いたキク等の植物の培養茎頂の液体窒素保存
担当機関 東北農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 新野孝男
箭田浩士
村山 徹
渡邊和洋
発行年度 2000
要約 キク、オウトウ等の培養シュートの茎頂あるいは側芽をビトリフィケイション法で処理することにより、コンパクトで安全な液体窒素保存が可能である。
背景・ねらい 栄養繁殖性遺伝資源は、現在圃場で保存されているものがほとんどである。そのため多大な経費、労力がかかっている。また、自然環境にさらされることにより、資源の亡失の可能性がある。当研究室では、遺伝資源の保存に培養したシュートを用いた液体窒素保存技術(ビトリフィケイション法)の開発を行ってきたが、この技術が多くの種に適用できるかどうかの検討が必要であった。そこで、キク、オウトウ等の培養茎頂を材料として、保存法を各種の植物に最適化し、高い生存率を得る方法を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 培養したシュートから茎端を切り、0.1Mしょ糖添加MS培地で25℃、3週間培養し、得られたシュートを低温でハードニングする(必要な場合)。その後、茎頂あるいは側芽を約1㎜くらいの大きさに切り、耐性を高めるために0.1~0.7Mしょ糖添加MS培地で5℃あるいは25℃で、1~3日間、前培養をする。
     
  2. 保存材料は2mlのクライオチューブに入れ、ローディング液(2Mグリセロールと0.4Mしょ糖添加したMS基本液)で25℃、20分処理後、PVS2液(30%(w/v)グリセロール、15%(w/v)エチレングリコール、15%(w/v)ジメチルスルフォキシド、0.4Mしょ糖を添加したMS基本液)で一定時間脱水処理(25℃)する。処理時間終了直前に新鮮なPVS2液に置換し、クライオチューブごと液体窒素中に保存する(図1)。
      
  3. 再生は、クライオチューブを約30℃の温水中に約1分浸漬、加温し、直ちにPVS2液を取り出し、1.0Mしょ糖添加MS液で茎頂あるいは側芽を約10分間洗浄する。その後、培地に置床することで約1ヶ月後にシュートを再生できる。
      
  4. この方法は、ヤーコン、キクイモ、サクラ、オウトウ、クワ、キク、インナラに適用できる(表1)。
成果の活用面・留意点
     
  1. ビトリフィケイション法を使用するにあたっては、PVS2液の処理時間、生育ステージの揃った材料の確保(表2)、前培養、ハードニング等の処理の最適化が高い生存率を得るために重要である。
      
  2. インナラはスリランカ国の熱帯性ルートクロップである。
図表1 231640-1.jpg
図表2 231640-2.jpg
図表3 231640-3.jpg
カテゴリ 遺伝資源 おうとう きく きくいも さくら 繁殖性改善 ヤーコン

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