ササニシキ同質遺伝子系統の穂における非親和性イネいもち病菌による誘導抵抗性発現の系統間差

タイトル ササニシキ同質遺伝子系統の穂における非親和性イネいもち病菌による誘導抵抗性発現の系統間差
担当機関 (独)農業技術研究機構 東北農業研究センター
研究期間 1996~2000
研究担当者 芦澤武人
小泉信三
善林 薫
発行年度 2001
要約 同質遺伝子系統ササニシキBL4号(Piz-t所有)の穂に非親和性イネいもち病菌の高濃度分生胞子懸濁液を前接種すると誘導抵抗性が発現し、後接種した親和性菌による穂いもち発病が抑制される。しかし、この発病抑制はササニシキBL3号(Piz)とササニシキBL6号(Pita)ではみられない。
キーワード 誘導抵抗性、ササニシキ同質遺伝子系統、穂、非親和性イネいもち病菌
背景・ねらい 同質遺伝子系統を混合栽培するマルチラインでは、非親和性イネいもち病菌により誘導 される抵抗性が葉いもち発病抑制の1要因であることが判明している(中島、1996)。しかし、この誘導抵抗性が穂で発現するかについてはまだ明らかでない。そこで、いもち病をマルチラインにより効果的に防除するため、ササニシキ同質遺伝子系統の穂における誘導抵抗性発現の系統間差を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
ササニシキ同質遺伝子系統の穂は非親和性イネいもち病菌の噴霧接種により全ての系
統が発病する。この発病程度には系統間差がある(図1)。
2.
ササニシキBL4号(真性抵抗性遺伝子Piz-t所有)に非親和性菌のみを噴霧接種すると分生胞子濃度が高くなるにつれて発病程度が高くなる。また、非親和性菌前接種後に親和性菌を後接種すると、前接種の分生胞子濃度が高いときに後接種による穂いもちの発病が少ない(図2)。
3.
非親和性菌の分生胞子を高濃度(2.5×106個/ml)で接種すると、ササニシキBL6号(Pita)は被害籾率が高く、ササニシキBL3号(Piz)は中程度で、ササニシキBL4号(Piz-t)は低い。
4.
非親和性菌の分生胞子を高濃度(2.5×106個/ml)で前接種したササニシキBL6号(Pita)とササニシキBL3号(Piz)では、後接種した親和性菌による穂いもち発病を抑制しないが、ササニシキBL4号(Piz-t)ではこの抑制効果があり、誘導抵抗性が発現する(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
ササニシキマルチラインによる効果的な穂いもち防除のための基礎的知見として活用できる。
2.
本試験に供試したイネはすべて出穂期を揃えるため、円形20粒播種法(佐竹、1972)により育成した。
図表1 231799-1.gif
図表2 231799-2.gif
図表3 231799-3.gif
カテゴリ 病害虫 いもち病 抵抗性 抵抗性遺伝子 播種 防除

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