タイトル | 良質・良食味・耐冷水稲新品種「青系135号」の育成 |
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担当機関 | 青森農試 |
研究期間 | 1992~2001 |
研究担当者 |
横山裕正 舘山元春 高舘正男 三上泰正 小山田善三 小林渡 川村陽一 前田一春 中堀登示光 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 水稲「青系135号」は、育成地では中生に属する粳種である。品質・食味が良好で、耐冷性が強いことから、群馬県で認定品種に採用された。 |
キーワード | 水稲、青系135号、品質、食味、耐冷性、認定品種 |
背景・ねらい | 群馬県の標高700~850mの高冷地帯は、冷害の危険頻度が高く、耐冷性の強い品種が必要とされている。この地帯では、奨励品種として「まいひめ」が作付けされているが、食味向上の要望が強く、「まいひめ」並の熟期で、耐冷性と良食味を兼ね備えた品種が求められていた。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「青系135号」は、中生の良質・良食味品種の育成を目標に、1992年に青森県農業試験場において、「山形40号」を母、「青系113号」を父として人工交配を行った後代から、葯培養を利用して育成された品種である(表1)。 2. 育成地では、出穂期・成熟期ともに「つがるロマン」より1日早い、中生の粳種である(表1)。 3. 稈長・穂長・穂数は「つがるロマン」並で、中短稈・偏穂重型である。止葉の長さはやや短く直立する。稈は「つがるロマン」よりやや太く、倒伏抵抗性は「つがるロマン」より強い。粒着密度は“やや密”で、中程度に短芒を生じ、ふ先色は“黄白”である(表1)。 4. 障害型耐冷性は「つがるロマン」より強い“極強”である。いもち病抵抗性は、真性抵抗性遺伝子型が“Pii”と推定され、圃場抵抗性は葉いもち・穂いもちともに「つがるロマン」並の“やや強”である。穂発芽性は「つがるロマン」より発芽しにくい“難”である。収量性は標肥区では「つがるロマン」よりやや低いが、多肥区では高い(表1)。 5. 玄米千粒重は「つがるロマン」よりやや軽い。玄米品質は、腹白や乳白の発現が少なく、「つがるロマン」並の“上中”である。食味は「つがるロマン」並の“上中”である(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 群馬県で認定品種に採用され、「まいひめ」に替えて標高700~850mの高冷地帯で普及が見込まれる。普及見込み面積は約50haである。 2. いもち病抵抗性は“やや強”であるが、基準防除を励行する。 3. 障害型耐冷性は“極強”であるが、幼穂形成期の低温時には深水管理を実施し、幼穂の保護に努める。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 いもち病 新品種 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 凍害 品種 防除 水管理 良食味 |