| タイトル | 大消費地アンテナショップにおける消費者の好むウルイの販売荷姿 |
|---|---|
| 担当機関 | 岩手農研セ |
| 研究期間 | 2000~2002 |
| 研究担当者 |
菅原豊司 |
| 発行年度 | 2003 |
| 要約 | 岩手県産の簡易促成栽培ウルイを東京都内の消費者むけに販売するにあたっては、濃い葉色で料理名を表示した袋入りの200g入りテープ結束と量目を多めにしたボリューム感のあるバラ包装の2つのラインナップとする。 |
| キーワード | 荷姿、プロファイル、ウルイ |
| 背景・ねらい | 岩手県北部のウルイを大消費地で試食調査した結果、食味の良さは評価されたが、認知度が低く、望む荷姿は多様となることが予想されたことから、区分けして把握する必要があった。そこでコンジョイント分析にクラスター分析を組み合わせた手法(図1)を適用し、より多くの消費者に好まれる荷姿を明らかにすることとした。 |
| 成果の内容・特徴 | 1. 図2に示すプロファイルについて順位の回答データをクラスター分析し、回答群のパターンをコンジョイント分析することで、選好パターンが占有割合別に把握される。 2. 葉色が濃く量目の多いものを強く選好する「濃色量多型」の荷姿は全体の3分の1を占める。量目が多いことが重要度の80を超える「量多優先型」、テープ包装で200gの量目を重視する「均等重視型」はそれぞれ約21%を占める。量が200g~150gと少なめでバラ包装を望む「量少バラ型」は20%弱、量が150gと少ないことを重視し、料理名を重視する「量少料理型」は6%がそれぞれのシェアである(表の回答数、同上%を参照)。 3. 占有率の大きい回答者数の希望から対応するため、図3のように占有率順に累積回答割合を求めた。7割の回答者の選好度を満たすには、「濃色量多型」に加え、「量多優先型」と「均等重視型」との両方の荷姿を反映させる必要があり、量目は300gと200gの2つの区分となる。 4. さらに全回答者の選好を満たすには、「量少バラ型」、「量少料理型」の荷姿特性を反映させ150gバラ包装の製品区分を加えるが、回答者のシェアは小さいことから、袋などの費用をかけて追加しても販売額の増加効果は小さい(図3)。 5. 以上により、求められる荷姿は、いずれも濃い葉色で、料理名を中心に表示した袋で、200g入りテープ結束、300g入りバラ包装の2つの荷姿ラインナップが必要とみることができる。 6. 回答者の特徴を見ると量の多いタイプでは30歳代以下の割合が全体平均に比べ多いのに対し、量の少ないタイプを選ぶ年代は40歳代以上が多くなる傾向が見られることから、販売店舗の客層に応じて量目を変更するといった活用もできる(表の年代を参照)。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1. 量目の増量を価格に上乗せすることが難しい場合は、対応できる範囲での増量に留め、見た目のボリューム感を高めるなど、産地の収益性を勘案した対応に留意する。 2. 新たな販路を開拓する場合の数的根拠に基づいた製品ラインナップの決定等、販売方策の検討場面において、他の地域特産品目にも応用が考えられる。 |
| カテゴリ | ばら 良食味 |