割れ籾率の高い水稲種子の温湯浸漬処理による発芽率

タイトル 割れ籾率の高い水稲種子の温湯浸漬処理による発芽率
担当機関 岩手農研セ
研究期間 2004~2008
研究担当者 沼田芳宏
吉田樹史
尾形茂
折坂光臣
高橋政夫
発行年度 2005
要約 低温の影響を強く受けた種子は全般に割れ籾率(咬合不良含む)が高く,割れ籾率が高い種子ほど温湯浸漬処理により発芽率が低下する。また,冷害年産種子でなくても,割れ籾率が高い場合には,58度C20分処理では発芽率が90%を下回る場合がある。
キーワード イネ,種子消毒,温湯浸漬法,発芽率,割れ籾
背景・ねらい 近年,特別栽培農産物栽培に取り組む生産者が増加しており,一部では従来の農薬による種子消毒に替えて,温湯浸漬法による種子消毒が実施されている。本県では温度制御機能付き温湯浸漬処理装置を用いて,58度C20分または60度C10分の温湯浸漬処理が行われている。しかし,割れ籾率が高かったH15年およびH17年産種子は,本法の実施により,発芽率の低下が確認されていることから,割れ籾率の高い水稲種子の温湯浸漬処理における割れ籾率と発芽率の関係について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 低温の影響を強く受けたH15年産種子は全般に割れ籾率(咬合不良含む)が高く,割れ籾率が高い種子ほど温湯浸漬処理により発芽率が低下する(図1)。58度C20分および60度C10分の温湯浸漬処理ともに発芽率が90%を下回る場合がある(表1)。
  2. 冷害年産種子でなくても,割れ籾率が高い場合(H17年産「あきたこまち」), 60度C10分処理では発芽率90%以上であるが,58度C20分処理では発芽率が90%を下回る場合がある(図2,表2)。
  3. 割れ籾率の高い種子においても,種子の休眠が十分に覚醒する前の温湯浸漬処理では発芽率低下が小さい(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 水稲種子の温湯浸漬処理への適応性が事前に把握でき,翌年の適切な育苗管理の参考となる。
  2. 割れ籾率が高い種子や低温の影響を強く受けた種子は,温湯浸漬処理により発芽率が低下するリスクが高い。
図表1 232424-1.gif
図表2 232424-2.gif
図表3 232424-3.gif
図表4 232424-4.gif
カテゴリ 病害虫 育苗 種子消毒 水稲 凍害 農薬

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる