分げつ構成が同じ群落における弱勢分げつ切除時期と登熟形質・整粒歩合

タイトル 分げつ構成が同じ群落における弱勢分げつ切除時期と登熟形質・整粒歩合
担当機関 秋田農試
研究期間 2003~2003
研究担当者 金和裕
佐藤馨
三浦恒子
柴田智
真崎聡
発行年度 2005
要約 中苗あきたこまちの主茎と第3~6号1次分げつを有効穂とする群落では、その他の分げつを発生次第切除すると、幼穂形成期に一度に切除する群落に比べて、登熟期間中の出液速度の低下は少なく、整粒歩合が高い。
背景・ねらい 深水栽培(佐藤ら、2004)や育苗箱全量施肥密植栽培(三浦ら、2005)を行うと、中苗あきたこまちの高品質・良食味米安定生産に適する主茎と第3~6号1次分げつ(以下、強勢分げつ)(金ら、2005)を主体に穂数が確保され、整粒歩合が高まり、玄米タンパク質含有率が低下する。これらの栽培方法の有効茎歩合は高い傾向があり、高品質・良食味米安定生産には強勢分げつを高い有効茎歩合で確保することが重要と考えられる。そこで異なる有効茎歩合のモデルとして、強勢分げつのみの群落を最高茎数が異なるように、その他の分げつ(以下、弱勢分げつ)の切除時期を変えて2種類作出し、登熟期間中の生育と玄米品質に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 幼穂形成期切除区(以下、幼形期切除期)は1次分げつは第2~7号まで発生し、2次分げつは第2~4号1次分げつにおいて発生している。幼穂形成期の茎数に対する強勢分げつの割合(有効茎歩合)は79%である(図表省略)。
  2. 発生時切除区は幼形期切除区と比べ、登熟期間中の出液速度(根量×単位根量当たりの生理活性を示す)(森田・阿部、2002)の穂揃5日後から19日後までの低下が少なく、根の活性と量が高く維持されている(図1)。
  3. 発生時切除区は幼形期切除区と比べ、穂揃期における茎・葉鞘中の1茎あたりの蓄積炭水化物(NSC)量は高く(図2)、登熟期間中の1茎あたりの乾物増加量は、すべての分げつにおいて多い(図3)。
  4. 発生時切除区は幼形期切除区と比べ、稈長は有意に短く、粗玄米中の粒厚1.9mm以上の粒数分布割合と整粒歩合は有意に高い。また、籾数に対する1.9mm以上の玄米粒数比率と粗玄米中の大粒厚(2.0mm)の分布割合は高い傾向があり、玄米タンパク質含有率は低い傾向にある(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験では強勢分げつのみからなる群落を作出するための分げつ切除を2種類行っている。強勢分げつ以外を発生次第ただちに基部から切除している群落(発生時切除区)と、分げつ発生は自然発生のままで、幼穂形成期に一度に強勢分げつのみを残し弱勢分げつをすべて基部から切除している群落(幼形期切除区)である。
  2. 本試験に用いた品種はあきたこまち、苗質は中苗である。1株4本植で栽植密度は22.2株/平方メートルである。群落の大きさは12株×4条である。調査には中側の2条を用いた。
  3. 高品質・良食味米安定生産を行うためには、強勢分げつを主体に穂数を確保することに加えて、弱勢分げつの発生を低く抑えることが重要である。
図表1 232425-1.gif
図表2 232425-2.gif
図表3 232425-3.gif
図表4 232425-4.gif
カテゴリ 育苗 施肥 品種 良食味

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