タイトル |
イッポンワラビ(赤コゴミ)の促成栽培方法 |
担当機関 |
山形県最上総合支庁産業経済部 |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
石山久悦
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発行年度 |
2005 |
要約 |
イッポンワラビ(赤コゴミ)の促成栽培において、根株を養成する場合、遮光することで根株の生長が良くなる。また、塊茎ごとに分割して1年間養成すると根株重は約2倍となる。促成栽培は、1月中旬以降に開始し、温度は日平均地温20度Cとする。
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キーワード |
イッポンワラビ(赤コゴミ)、根株養成、促成栽培
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背景・ねらい |
主力の山菜を補完する新規有望山菜として、イッポンワラビ(通称「赤コゴミ」)の栽培技術を開発するために、自生地などの生育環境調査を基に、促成栽培する場合の根株養成における遮光条件や増殖方法、促成時の開始時期、温度等の解明を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 促成栽培のために根株を養成する場合は、トンネルなどを利用した遮光を行う。遮光することで無処理より根株重などが優り、根株の生長が良くなる(表1)。
- 親株の根株を塊茎ごとに1つずつの塊茎(根株重280g程度)に分け、1年間養成した場合、根株重は約2倍(根株重550g程度)に増加する(表2)。不定芽を1年間養成した場合は、株の増殖率は高いが、促成に用いるには3年以上の養成期間が必要である。
- 促成栽培の開始は1月中旬以降とすることで出芽率が早期に高まる(図1)。温度は日平均地温10~25℃では高温ほど収穫が早いが、商品収量、品質を考慮すると日平均地温20度C℃が適する。根株重1000g程度(1塊茎分割法で2年以上養成)の根株を用いると約360kg/10a(養成畑当り)、約2.7kg/平方メートル(促成床当り)の商品収量が期待される(表3、図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 試験に用いたイッポンワラビは、山形県北部山林の東側など、半日陰で腐植に富み、湿潤な土壌条件に自生する系統である。また、食味は良好で、生鮮食(おひたし)では香ばしさと油濃さが特徴的である。
- 当該系統は、イワデンタ科シケチシダ属イッポンワラビ(Cornopteris crenulatoserrulata (Makino))(日本の野生植物より)であるが、地域によりヘラシダ属キヨタキシダ(Diplazium squamigerum (Mett)Matsumを含めて赤コゴミと称し食されている。なお、赤コゴミは、油コゴミ、イッポンコゴミ、ヨメノハギなどとも呼ばれている。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
栽培技術
光条件
良食味
わらび
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