タイトル | 中耕作業の耕深と作業速度を連動させて局所可変制御する作業機 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 2003~2007 |
研究担当者 |
西脇健太郎 大谷隆二 天羽弘一 澁谷幸憲 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 雑草の繁茂状態などに応じて中耕の強度を局所的に可変制御する作業機である。中耕の耕深と作業速度を同時に制御することにより中耕強度を変化させ、必要な中耕の程度に対し過不足のない強度で中耕作業を実施することにより、作業能率を向上させられる。 |
キーワード | 農業機械、中耕、精密農業、可変施用 |
背景・ねらい | 中耕は畑作物にとって重要な管理作業であるが、作業能率が低い。しかし、中耕の必要程度を局所的に把握し、それに応じて必要な程度の中耕を施すことができれば、作業能率を高め、無駄なエネルギ消費を抑制することができよう。例えば、雑草が繁茂している場所では耕深の深い低速作業により断根・埋草を良好にし、少ない場所では耕深を浅くして高速作業することで作業能率を向上させる、等が考えられる。耕深と走行速度との組み合わせで定義する中耕強度を可変制御しつつ中耕作業を実施する作業機を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 3条のロータリ式中耕作業機を装着したミッドマウント型乗用管理機について、中耕の耕深と走行速度を同時に制御することにより、中耕強度を可変制御する。中耕強度を大きくする場合には、耕深を深くかつ走行速度を遅く、また、中耕強度を小さくする場合には、耕深を浅くかつ走行速度を速くするように制御する。 2. 耕深制御は、作業機ヒッチの昇降レバーを電動シリンダで駆動し、作業機位置を上下させて行う。走行速度制御は、HSTの変速レバーを電動シリンダで駆動・位置決めして行う。オペレータが中耕強度(5段階)をコントローラで設定すると、耕深と走行速度が同時に制御され、中耕強度が変化する(図1)。 3. 整地圃場(作物なし)における動作では、標準偏差10mm以下の精度で耕深の制御が可能であり、その際の走行速度と併せると、図2に示すような中耕強度の変化設定(5つのデータ点が、5段階の中耕強度設定)となる。 4. 実際の栽培圃場において、1行程の40%程度の距離を高速浅耕、残りを低速深耕とした強度可変中耕作業では、全行程を低速深耕とした通常の作業に比して、圃場作業量が向上する(図3、表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 雑草の繁茂状態にむらがある圃場における中耕作業を高能率に実施する技術として活用できる。 2. HSTの乗用管理機であれば、簡易な改造により強度可変中耕機を構成できる。 3. 雑草の繁茂状態以外の情報(作物や土壌など)に基づいて中耕強度を可変制御することもできるが、その場合にはセンシング手法とともに、所要中耕強度を求めるための処方箋の開発が必要である。 4. エンジン出力や土壌性状によっては、図2の中耕強度変化則をシフトする必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 雑草 センシング |