タイトル | 循環式乾燥機とベルト選別機を用いたナタネの乾燥調製・選別法 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 2005~2005 |
研究担当者 |
澁谷幸憲 大谷隆二 天羽弘一 西脇健太郎 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 循環式乾燥機と穀物水分計を併用して、機械収穫後にふるいで粗選別したナタネの機械乾燥ができる。さらに、大豆用ベルト選別機を乾燥後のナタネに利用して精選別をすることにより、夾雑物をほぼ完全に除去でき、選別したナタネはそのまま搾油可能である。 |
キーワード | ナタネ、乾燥、循環式乾燥機、選別、ベルト選別機 |
背景・ねらい | 近年、バイオマス作物としてナタネは、地域循環システムの基幹作物として注目されている。 農家内や地域内で、収穫乾燥調製以降の搾油作業まで一貫して実施できれば、搾油工程で発生する搾り粕の肥料・飼料としての有効利用も期待され、副産物の自家利用、もしくは地域内利用も容易となる。 そこで、搾油工程に直接持ち込むことができるナタネ種子を得ることを目的として、市販農機の汎用利用による乾燥調製・選別法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本方法は、コンバイン収穫後のナタネから、(1)大きさ・形状の違いを利用して莢や折れた茎などの夾雑物を取り除く粗選別、(2)循環式乾燥機(横掛八層方式)と穀物水分計を併用した機械乾燥、(3)乾燥後のナタネから大豆用ベルト選別機を利用して雑草種子や折れた莢等の夾雑物を取り除く精選別の3つの工程からなる(図1)。 2. 循環式乾燥機の排風路出口までナタネが飛散しないように、飛散防止板(図2)を設置し、昇降機上部の排塵ファンを停止状態としたうえで運転する。乾燥機水分計の籾モード測定値および、穀物水分計のナタネモード測定値ともに、105℃24h炉乾法との相関は高く、乾燥仕上げ水分までモニタリングできる(図3)。 3. 大豆用ベルト式選別機の利用にあたり、ナタネが飛散しないよう供給部風選装置の出口をふさぎ、選別精度を高めるためにベルト傾斜角度を12°程度に調節する。 4. コンバインで収穫したナタネ約2300kg(荷受け時湿重)を、粗選別して0.47%の夾雑物を除去できる。乾燥機を籾モードのタイマー運転に設定した場合、初期水分22.6%仕上がり水分9.1%の時の毎時乾減率は、1.35%/hである。その後、精選別で残りの夾雑物をほぼ完全に除去でき(表1)、得られたナタネはそのまま搾油できる。精選別の能率は60kg/hである。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本内容は、循環乾燥機にはK社製RVM250を、穀類水分計にはK社製PM-830-2を、ベルト式選別機にはY社製大豆選別機YBS-100を利用した結果である。 2. 搾油機の損耗原因となる小石などの異物混入には十分留意する。 3. 乾燥機のナタネへの利用に際し実施した改良内容は、K社製機種に限られる。 4. 乾燥終了後に乾燥機内に未排出のナタネが若干残るので回収する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 病害虫 乾燥 雑草 大豆 なたね モニタリング |