DNAマーカー利用によるリンゴ新品種「あおり13 (北紅)」交配親の同定

タイトル DNAマーカー利用によるリンゴ新品種「あおり13 (北紅)」交配親の同定
担当機関 青森農林総研
研究期間 2005~2006
研究担当者 阿部佳枝
五十嵐恵
初山慶道
上田高則
今智之
深澤(赤田)朝子
工藤剛
佐藤耕
発行年度 2006
要約 交配親の記載が矛盾していたリンゴ新品種「あおり13」は、43個のSSRマーカー遺伝子型、葉緑体DNAマーカー遺伝子型及び当時の交配記録を総合すると、「リチャードデリシャス」が種子親、「つがる」が花粉親であると判断される。
キーワード リンゴ、DNAマーカー、SSR、葉緑体DNA、交配親同定
背景・ねらい 青森県育成の新品種リンゴである「あおり13 (北紅)」は食味優良で外見も美しく、有望品種であるが、当初発表された交配組合せ(世界一×あかね)に矛盾があることが判明した。品種識別に有効な核DNAのSSRマーカー、葉緑体DNAの多型をもとにしたCAPSマーカー及び当時の交配記録を合わせて、「あおり13」の正しい交配組合せの同定を試みる。
成果の内容・特徴
  1. リンゴの第7連鎖群以外の全連鎖群から1個以上のSSRマーカーを使用して、合計43遺伝子座のSSR遺伝子型情報から「あおり13」の交配親として可能性のある組合せを推定すると、りんご試験場保有の品種・育成系統約280種の中では「つがる」と「デリシャス系」であると考えられる(表1)。
  2. 当時の交配記録から、「リチャードデリシャス (種子親)」×「つがる (花粉親)」、「つがる (種子親)」×「ロイヤルレッドデリシャス (花粉親)」の2つの候補が考えられる。「リチャードデリシャス」は「デリシャス」の枝変わり品種、「ロイヤルレッドデリシャス」は「リチャードデリシャス」の枝変わり品種である。
  3. 種子親からのみ遺伝する葉緑体DNAの rpl16 遺伝子領域の多型を利用して、「デリシャス系」と「つがる」を識別するCAPSマーカーとした。これを用いて「あおり13」の細胞質遺伝子型を調査すると、「デリシャス系」型を示す(図1)。
  4. 葉緑体DNAの trnL-trnF、accD-psaI 及び rpoC1 遺伝子領域の「つがる」と「デリシャス」で異なる部分も、「あおり13」では全て「デリシャス」と一致する。
  5. 以上の結果から、「あおり13」の交配組合せは、「リチャードデリシャス (種子親)」×「つがる (花粉親)」であると判定される。
成果の活用面・留意点
  1. 今後のリンゴ育種において正しい情報が利用できる。
  2. 遺伝子型データは、各品種固有の情報として品種識別や品種保護に応用できる。
  3. 葉緑体DNAの各遺伝子領域増幅用プライマー配列は、以下の論文を参照した。
    Kimura T. et al. Genetic characterization of pear varieties revealed by chloroplast DNA sequences. J. Hort. Sci. Biotech. 78 (2) 241-247. (2003)
図表1 232530-1.gif
図表2 232530-2.gif
カテゴリ 育種 新品種 DNAマーカー 品種 良食味 りんご

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