エゴマ種子タンパク質の抽出と栄養特性

タイトル エゴマ種子タンパク質の抽出と栄養特性
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2007~2007
研究担当者 棚橋 紺(福島農総セ)
二瓶直登(福島農総セ)
木村俊之
老田 茂
澁谷幸憲
発行年度 2007
要約 エゴマ種子タンパク質の多くは緩衝液か食塩水で抽出可能で、トリプシンインヒビター活性がほとんどなく、消化性も良好なため、エゴマ搾油残渣はタンパク質食材としての利用が有望である。
キーワード エゴマ、種子タンパク質、アミノ酸組成、消化性
背景・ねらい エゴマは東北地域で全国の約60%に相当する120haが作付けられており、エゴマ油はアレルギー抑制効果があると考えられているα-リノレン酸やルテオリンを特異的に高含有する。エゴマ種子の搾油残渣は現在そのまま廃棄されているが、タンパク質を約20%も高含有することから、タンパク質食材として利用するため、エゴマ種子タンパク質の特性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 脱脂エゴマ種子を20 mmol/Lトリス塩酸緩衝液、0.5 mol/L食塩水、70%エタノールおよび3%酢酸を用いて順次抽出すると、ほとんどのタンパク質は緩衝液と食塩水で抽出される(表1)。
  2. エゴマ種子の緩衝液と食塩水抽出のタンパク質の構成アミノ酸に大きな差はなく、グルタミン(酸)、グリシン、アスパラギン(酸)、アルギニン、バリンが多く、メチオニンとヒスチジンが少ない(表2)。
  3. エゴマ種子の緩衝液抽出および食塩水抽出のタンパク質は、ブタのペプシンで主に構成される人工胃液でいずれも30秒以内に速やかに消化される(図1)。
  4. エゴマ種子の緩衝液と食塩水で抽出のタンパク質は、ダイズ種子を同様に抽出したタンパク質と異なり、トリプシンインヒビター活性はほとんど認められない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. エゴマ搾油残渣をタンパク質食材に利用する場合、残留する不飽和脂肪酸の酸化防止か除去が必要である。また、搾油残渣そのままの状態では食感が良くないため、細かく粉砕したり、タンパク質を抽出してから、他の食品に加える必要がある。
  2. エゴマ種子は搾油されるだけでなく、エゴマ餅やエゴマ味噌などの形でこれまでも食されている。
図表1 232772-1.jpg
図表2 232772-2.gif
カテゴリ えごま 大豆

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