タイトル |
ラズベリー「サマーフェスティバル」の多雪地域に適した結果母枝切り戻しせん定 |
担当機関 |
山形最上産地研究室 |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
池田泰子
高橋秀昌
菅原秀治
渡辺 伸
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発行年度 |
2008 |
要約 |
二季成り性品種「サマーフェスティバル」を積雪前に2芽程度に切り戻すと、翌年夏季の収穫量は少なくなるが、シュート発生本数が多くなることから、二季の合計収量は慣行栽培よりやや増加する。また、この処理を行うことにより、越冬対策を省略できる。
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キーワード |
ラズベリー、二季成り性品種、切り戻し、越冬対策
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背景・ねらい |
ラズベリーは寒冷地での栽培に適し、結果樹齢に達するのが早く、新規導入品目として有望であるが、多雪地域での栽培管理については明らかになっていない。そこで、二季成り性品種の結果習性に着目し、省力的な越冬対策と同時に秋季に安定生産できる方法について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- ラズベリー二季成り性品種「サマーフェスティバル」について、結果母枝を積雪前に2芽程度(約10cm)に切り戻す処理(以下、切り戻しせん定という)を行った場合の開花期間は7月下旬から11月中旬まで、収穫期は8月下旬から11月中旬まで続き、慣行栽培の秋季の生態とほぼ同じである(表1)。
- 切り戻しせん定を行うと、翌年夏季の収量は少なくなるが、二季の合計収量は慣行栽培よりもやや増加する(表2)。また、秋季収穫期の早い時期(9月上旬~中旬)に多く収穫することができる(表3)。
- 切り戻しせん定を行うと、発生するシュート本数(株あたり)が慣行より多くなる(表4)。
- 切り戻しせん定を行った場合の果実品質(糖度、酸度)は慣行とほぼ同等である(データ省略)。
- 切り戻しせん定を行うと、雪囲い等の越冬対策が省略できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 結果枝やシュートは直立性で柔らかく、倒れやすいため、生育・収穫期間中は、紐を張り結束するなどの対策が必要である。
- 本結果は株分けして定植、各処理を続けて3年目までの結果である。なお、栽培概要は以下のとおりである。
・栽植距離 株間1.0m×列間2.5m、株仕立て、無防除、無施肥 ・慣行栽培は積雪前に切り戻しを行わず、結果母枝を結束した。融雪後、結果母枝を50cm程度に切り戻した。また、夏季に収穫して枯れた結果母枝は随時取り除いた。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
栽培技術
施肥
品種
防除
ラズベリー
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