タイトル | 高温期のトマト栽培中の高軒高ハウス内の気温特性 |
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担当機関 | 栽培システム研究室 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
古谷茂貴 細井徳夫 細野達夫 川嶋浩樹 鈴木克己 |
発行年度 | 2004 |
要約 | トマトを栽培する軒高4mの高軒高ハウスの夏季日中の気温は、防虫ネットを展張しても防虫ネットを展張していない軒高2mの普通軒高ハウスより低く、さらに細霧冷房を併用すれば外気温より低下する。 |
キーワード | トマト、施設栽培、軒高、気温、細霧冷房 |
背景・ねらい | 近年、わが国において従来のハウスよりも軒が高い高軒高ハウスの設置が増加している。高軒高ハウスでは、広い空間を利用し栽培ができることや、高温期における高温抑制効果が期待されている。しかし、これまでに高軒高ハウスにおいてハウス内の温度の垂直分布を長期にわたり調査した結果はない。そこで、トマト栽培中の軒高の異なるハウス内の気温を比較し、高温期における高軒高ハウス内の温度環境を明らかにする。また、防虫ネットを展張しても高軒高ハウスは高温抑制効果があるのか、細霧冷房の効果があるのかについて明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 比較したハウスは軒高4m400m2の合掌型連棟鉄骨組硬質プラスチックハウス(高軒高 ハウス)と約30m離れた軒高2m1513m2のアーチ型連棟ビニルハウス(普通軒高ハウス)でいずれもトマトが栽培されている。高軒高ハウスでは側窓天窓に0.6mm目合いの防虫ネットを展張しても、5月~6月の晴天日昼間のハウス内気温(11時~12時の高さ2.0mの平均気温)は、防虫ネットを展張していない普通軒高ハウスよりも低い(図1)。 2. 高軒高ハウスと普通軒高ハウスの気温差は、2004年のような空梅雨の年の場合、 5月より日射が強くなる6月の方がより大きくなる(図1,2)。高軒高ハウスでは5月、6月の外気温とハウス内温度の回帰直線はほぼ同じである(図1)。 3. 3)。 4. 晴天・高温日のトマト栽培ハウスの内外気温差は、13:00頃をピークに最も大きくなる。 軒高の異なるハウスの気温差もその時間帯に最も大きくなり、高軒高ハウスの方が低い(図3)。 5. 高軒高ハウス上部に取り付けた細霧冷房により、高軒高ハウスの気温は外気温より3℃ 程度低下する(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 高軒高ハウスでは栽培しているトマト上部の空間が大きいために、軒が低いハウスでは 導入が難しい遮光カーテンや細霧冷房装置等を装備できる。 2. 各種環境制御装置の有無など、種々のハウスの条件によって実測数値は異なる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 環境制御 施設栽培 トマト |