タイトル | 高温条件下における単為結果性ナスの結実性 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
菊地 郁 本多一郎 齊藤猛雄 松尾 哲 福田真知子 免責事項等)独立行政法人 農業 食品産業技術総合研究機構〒305-8517茨城県つくば市観音台3-1-1お問い合わせはwww@naro.affrc.go.jpTel/029-838-8988 FAX/029-838-8982(総合情報管理部広報課) |
発行年度 | 2005 |
要約 | 単為結果性ナス系統「AE-P03」は、経済的栽培品種の結実率が低下するような高温条件下においても高い結実性を示す。 |
キーワード | 結実率、高温、単為結果、ナス |
背景・ねらい | ナスは高温や低温によって結実不良や落果が引き起こされる。野菜茶業研究所(ナス科育種研究室)ではヨーロッパより導入した単為結果性ナス「Talina」と国内品種「中生真黒」や、半枯病抵抗性「なす中間母本農1号」との交配後代から9系統の単為結果性ナスを育成している。これらの系統は低温下で高い結実性を示すことが報告されている。一方「Talina」の結実性は高温下で低いことが知られているため、これら単為結果性ナス育成系統の高温下での有用性は不明である。そこで、育成系統の高温下での結実性を明らかにし、高温下でのナス安定生産への適応性を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 夏秋期のハウス栽培において、全ての育成系統は「千両二号」や単為結果性交雑親「Talina」の半数体倍化系統「Talina2/1」よりも正常果の結実率が高い(図1)。特に、育成系統「AE-P03」の正常果の結実率は100%と非常に優れる。 2. 春夏期の露地圃場、ハウスおよび昼温/夜温が25/15℃の自然光型人工気象室で結実率を調査すると、正常果の結実率は「AE-P03」、「千両二号」、「Talina2/1」、「LS1934」(非単為結果性系統)の順になる。昼温/夜温が25/15℃より高温条件下ではどの品種・系統の結実率も顕著に低下するが、「AE-P03」の結実率の低下は小さい(図2)。 3. ホルモン処理を行った場合にも、「AE-P03」の結実率は「Talina2/1」や「千両二号」より優れる(図3)。 4. 高温下で除雄しても「AE-PO3」や「中生真黒」は結実するが、「Talina2/1」は結実しない(図4)。また、受粉しなかった時「中生真黒」は奇形果のみ結実する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 「AE-P03」は低温下のみならず高温下の栽培にも有効であると考えられ、気候温暖化問題などに対応する育種素材として広く活用できる。 2. 調査にあたっては、石ナスや顎片のみ肥大した果実は奇形果に、空洞や尻ぐされのある果実は不良果に含めている。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 育種 受粉 単為結果 茶 抵抗性 なす 品種 |