タイトル |
二元配置分散分析における複数個の欠測値の推定法 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
池田奈実子
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発行年度 |
2008 |
要約 |
二元配置分散分析で、一つの処理に複数個の欠測値を含む場合に、それぞれの欠測値について重複する処理を削除してから仮の推定値を求め、それらを用いて一定の値に収束するまで再計算を行うことによって複数個の欠測値を推定することが可能になる。
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キーワード |
欠測値の推定、分散分析
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背景・ねらい |
作物試験で要因を解析するためには、分散分析は基本的な手法であるが,圃場の制約や気象条件による欠測値の発生が避けられない場合がある。二元配置分散分析で欠測値が存在する場合は,その処理の行あるいは列を削除しなければならない。一つの処理に複数個の欠測値が存在する場合の欠測値の推定法を開発することによって、処理数を減らさずに分散分析を行うことが可能になる。
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成果の内容・特徴 |
- 欠測値は下記の式で推定できる(廣崎 1989)。それぞれの欠測値は、下記の式にX1、X2、X3…,を変数として代入した連立方程式を解くことによって推定できる。
A:欠測値(Xi)を含む行の合計、y:行数、B:欠測値を含む列の合計、z:列数、G:合計 - 欠測値が多い場合、1.の連立方程式を解く方法はかなり難解であるので、それぞれの欠測値について,欠測値が重複する処理を削除してから、各欠測値の仮の推定値を次式より求める(表1-1)。
A’:欠測値(Xi)を含む行の合計(重複した処理を削除した表における合計、以下同様) y’:行数、B’:欠測値を含む列の合計、z’:列数 G’:実測値の総合計、M’:実測値の全平均値、C:欠測値数-1 - 仮の推定値を用いて1.の式に代入して再計算を行い(表1-2)、求める桁数で一定の値に収束するまで再計算を繰り返し、推定値を求める(表1-3)。
- 推定値を挿入した表を用いて分散分析を行う。
- 処理の平方和は過大評価されるので、表2の方法によって補正を行う。
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成果の活用面・留意点 |
- 欠測値を除外した場合と本法により欠測値を推定した場合で、分散分析の結果が大きく異ならないか、確認を行う。交互作用が大きい形質については適用を避ける。
- 仮の推定値の代わりに平均値を挿入して再計算を繰り返しても欠測値の推定は可能であるが、再計算の回数が多くなる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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