タイトル |
肥効調節型肥料を用いた不耕起移植水稲の効率的な施肥技術 |
担当機関 |
秋田県農業試験場環境部土壌試験担当 |
研究期間 |
1989~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 不耕起移植水田において、肥効調節型肥料(被覆尿素)を移植直後に表面施肥
する方法であり、追肥の省略が可能である(表1)。
- 被覆尿素は、LP 100日タイプ(緩効性窒素割合70%)で、施肥量は慣行の施肥量
(基肥+追肥の合計窒素量)の80%~100%とする。
- 被覆尿素区では追肥を省略しても葉色の低下が少なく、化成肥料区に比べて
茎数は多く推移した(図1)。
- 表面施肥した基肥窒素の利用率は、硫安の9%に対して、被覆尿素では61%と
著しく高かった(表2)。
- 被覆尿素区の窒素吸収量は、生育後半まで化成肥料区を上回った。
- 被覆尿素区では化成肥料区に比べて、穂数が増加するため総籾数が多くなり、
増収効果が高かった(表3)。
- 技術・情報の適用効果
この技術の適用により、耕起・代かきの他に追肥も省略できることから、 八郎潟干拓地のような大区画水田において大幅な省力・低コスト化が期待 できる。また、代かき水の流出がないことに加えて、肥料効率が著しく高まる ことで、肥料窒素の水田系外への流亡がこれまで以上に抑えられることに なり、環境保全効果も期待できる。
- 適用の範囲
この技術の適用効果が大きいのは、耕起・代かき作業による水稲栽培を連続すると 土壌が強還元になり、透水性や地耐力が低下しやすい低湿重粘土水田である。
- 普及指導上の留意点
- 前年の秋から春にかけて畑雑草の発生が多い場合には、灌水前に接触型の非選択性
除草剤による除草を徹底する。
- 移植時の土壌の硬さは、さげふり深で30mm程度が最適である。また、移植時の水深
はできるだけ浅水とし、稲わらが田面に落ち着いた状態が良い。
- リン酸、カリは、慣行の基肥量と同量を窒素と同様に表面施肥する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
雑草
除草
除草剤
水田
水稲
施肥
低コスト
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