天蚕の人工飼料調製法と稚蚕人工飼料育の作業手順

タイトル 天蚕の人工飼料調製法と稚蚕人工飼料育の作業手順
担当機関 岩手県蚕業試験場
研究期間 1989~1992
研究担当者
発行年度 1991
成果の内容・特徴
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    天蚕は、人工飼料育で脱皮障害が発生することや、孵化期間が長く飼育管理が繁雑に
    なること、若齢幼虫が活発に動き回るなど、飼育取り扱い上不都合な性質を有し、
    安定した稚蚕大量飼育を困難にしている。そこでこれらの点について改善策を検討し、
    生産現場における稚蚕人工飼料育を想定した飼料調製法と作業手順を組み立てた。
    1. 人工飼料の調製法
      人工飼料は、飼料粉体を70度Cの寒天溶液に投入攪拌混合した後ビニール袋に移し、
      流水中で急冷固化させる方法で調製する。飼料調製は給餌予定日の前日~3日前に
      行い、調製後の飼料は5度Cで保管する。
    2. 稚蚕飼育の作業手順
      1. 冷蔵庫から取り出した卵は1,000粒ずつ卵容器に収容し、15度C程度の温度に1日
        置いてから25度C8時間・明、16時間・暗の条件下で十分保湿して保護する。
      2. 孵化の前日に飼育容器(53cm×35cmのコンテナー)に1齢給餌量の全量を切削散布し、
        蚕座網を載せ、その上に孵化蚕数が400~600頭に見合うだけの卵容器を置き、防乾紙で
        覆う。給餌量は予想される孵化蚕数に応じて増減する。
      3. 卵容器は翌日取り出し、前日と同じ手順で別の飼育容器に収容する。この作業は天蚕が
        孵化する3~4日間繰り返す。
      4. 飼育温湿度は29度C80%、光線条件は暗とし、孵化当日から5日目(2齢1日目)に除沙、
        給餌する。この時、蚕児は蚕座網とともに一括して移動する。2齢3日目に再度給餌し、
        配蚕する。
      表1 大量飼育における作業手順の例
  2. 技術・情報の適用効果
    天蚕の稚蚕人工飼料育が安定することにより、健全な天蚕幼虫が供給され、
    天蚕繭生産団地における繭生産性向上が図られる。
  3. 適用の範囲
    天蚕繭生産団地
  4. 普及指導上の留意点
    飼育作業能率を向上させるため、飼育頭数は飼育容器1箱当たり400頭内外になるように
    調整する。このため事前に供用卵の日別孵化状況を調査しておくとともに、
    飼育容器1箱当たりの孵化蚕数が400頭を越えた場合は2齢1回目の給餌作業時に
    調整する。

図表1 233688-1.gif
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