タイトル |
大粒・多収の水稲新品種「ゆめさかり」 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
1991~2009 |
研究担当者 |
三浦清之
笹原英樹
後藤明俊
重宗明子
長岡一朗
上原泰樹
小林 陽
太田久稔
清水博之
福井清美
小牧有三
大槻 寛
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発行年度 |
2009 |
要約 |
「ゆめさかり」は寒冷地南部での出穂期が早生の晩に属する粳種である。大粒で玄米収量が多く、バイオエタノール用、飼料用等の新規需要米としての利用が期待できる。
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キーワード |
イネ、バイオエタノール、飼料米、新規需要米、多収、ゆめさかり
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背景・ねらい |
食料自給率の向上および耕作放棄地の利活用を目的とした新規需要米の作付の推進に伴い、一般食用品種より多収の水稲品種の普及が拡大しつつある。一方、「コシヒカリ」のいもち病真性抵抗性同質遺伝子系統群(「コシヒカリBL」)が普及している新潟県では、「コシヒカリBL」の保有する外国稲由来の遺伝子を侵害するいもち病菌レース発生の恐れのない多収品種が必要となっている。また、米菓等加工原料用としても低コスト生産が可能な多収品種が望まれている。
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成果の内容・特徴 |
- 「ゆめさかり」は収量性の向上を目標として、大粒の多収系統「北陸153号」と早生の多収品種「奥羽331号(後の「ふくひびき」)」の交配後代から育成された多収品種である。
- ほぼ同じ熟期の一般食用品種「ひとめぼれ」と比較すると、出穂期は1日程遅く、成熟期は4日程遅い育成地では“早生の晩”に属する。耐倒伏性は「ひとめぼれ」より明らかに強いが、「夢あおば」より弱い“強”である。玄米収量は「ひとめぼれ」より2割程多く、極多収である。玄米千粒重は「ひとめぼれ」より大きく、「夢あおば」並みである(表1)。
- 乾物収量およびTDN収量ともに「夢あおば」並みである(表1)。
- 湛水直播栽培における苗立ち率は「夢あおば」並みで、耐倒伏性は「はえぬき」並みの“強”であり、粗玄米収量は「夢あおば」に優るため、湛水直播栽培が可能である(表1)。
- いもち病真性抵抗性遺伝子型はPiaと推定され、我が国の主要ないもち病菌のレースに侵害されるため、当系統から外国稲由来の真性抵抗性遺伝子を侵害する新たなレースが発生する恐れはない(表2)。
- いもち病耐病性は、葉いもち圃場抵抗性、穂いもち圃場抵抗性ともに“やや強”である(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 極多収であり、バイオエタノール、飼料等の新規需要米としての利用が期待できる。
- 大粒であるため、一般食用品種との識別がある。
- 適応地域は「ひとめぼれ」等の熟期の作付が可能で、冷害の危険性の少ない東北中南部、北陸および関東以西である。
- 耐倒伏性が“強”であるが「夢あおば」より弱く、大豆跡等の地力が高い圃場や極端な多肥栽培では倒伏の恐れがあるため、適切な肥培管理を行う。
- 穂発芽性が“やや易”であり、また、胴割れが生じやすいため、適期刈り取りに努める。
- 障害型耐冷性が弱いため、冷害の危険のある地域での栽培は避ける。
- メイチュウの害を受けやすいので、適宜防除に努める。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
加工
直播栽培
飼料用作物
新品種
水稲
大豆
抵抗性
抵抗性遺伝子
低コスト
凍害
肥培管理
品種
防除
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