レタスビッグベイン病抵抗性品種「フユヒカリ」

タイトル レタスビッグベイン病抵抗性品種「フユヒカリ」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 1999~2009
研究担当者 川頭洋一
杉山慶太
野口裕司
小島昭夫
坂田好輝
藤野雅丈
由比 進
片岡 園
発行年度 2009
要約 「フユヒカリ」は、レタスビッグベイン病に対して従来の抵抗性品種よりも強い抵抗性を示す、冬どり用のレタス品種である。
キーワード レタス、レタスビッグベイン病、ウイルス病、抵抗性品種
背景・ねらい レタスは生鮮野菜として不可欠な品目である。しかし近年、冬どり作型において土壌伝染性の難防除病害であるレタスビッグベイン病の発生が兵庫県、香川県をはじめ多数の県で確認され、発生面積が拡大している。民間種苗会社からは「ロジック」等の抵抗性品種が販売されているものの、汚染程度の高い圃場では発病し、収益低下を回避することができないことから、「ロジック」よりも強度な抵抗性を有する品種の育成が強く求められている。そこで、より強度な抵抗性を有する高品質なレタス品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「フユヒカリ」は、レタスビッグベイン病抵抗性品種「Thompson」と罹病性市販品種「シスコ」との交雑後代から選抜と自殖を繰り返し、F6世代でレタス安濃2号と系統名を付し、その後自殖により世代を進めた固定品種である(図1、図2)。
  2. 「フユヒカリ」はレタスビッグベイン病の病原ウイルス(ミラフィオリレタスビッグベインウイルス、MLBVV)には感染するが、抵抗性品種「ロジック」よりも強い抵抗性を示す(表1)。
  3. 「フユヒカリ」の収量および球の品質は「ロジック」と同等であり、冬どり用の代表品種「シスコ」よりも収量が多い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 「フユヒカリ」の抵抗性は、従来の抵抗性品種よりも強いものの完全な抵抗性ではないため、汚染程度の高い圃場においては、MLBVVを媒介するオルピディウム菌(Olpidium virulentus)に対して防除効果がある土壌消毒や薬剤(チオファネートメチルまたはTPN)灌注を併用することが望ましい。
  2. トンネルの裾を常に閉じた栽培では高温により生育が旺盛になりすぎて球が縦長になる傾向があるため、裾換気を行い、適正に温度管理する。
  3. 病原ウイルスの名称は、ミラフィオリレタスウイルス(MiLV)とも呼ばれるが、現在はミラフィオリレタスビッグベインウイルス(MLBVV)という呼び方が主流である。
  4. 「フユヒカリ」の種子は、民間種苗会社より販売される予定である。
図表1 233841-1.png
図表2 233841-2.png
図表3 233841-3.png
図表4 233841-4.png
カテゴリ 病害虫 温度管理 抵抗性 抵抗性品種 土壌消毒 品種 防除 薬剤 レタス

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