黒毛和種におけるQTLアリル型情報活用による収益上昇額算出プログラム

タイトル 黒毛和種におけるQTLアリル型情報活用による収益上昇額算出プログラム
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2006~2009
研究担当者 小松正憲
佐藤正寛
廣岡博之
発行年度 2009
要約 黒毛和種繁殖肥育一貫経営農家において、BMSナンバーや枝肉重量に影響を与える優良QTLアリルをDNAマーカーにより判定し、交配に活用した場合の販売収益上昇額を算出するためのプログラムである。
キーワード 黒毛和種、繁殖肥育一貫経営、DNAマーカー、BMS ナンバー、枝肉重量、収益上昇
背景・ねらい 近年、黒毛和種において肉質に比較的大きな効果を持つQTLアリル型の判定がDNAタイピングにより可能になった。QTLアリル型情報が個体別に安価で分かるようになれば、農家が、QTLアリル型情報を利用し、自分の所有しているウシの選抜・淘汰や遺伝的特性に応じた飼養管理を行うことが可能になる。そこで、黒毛和種繁殖肥育一貫経営農家が飼養している繁殖雌牛や種付け種雄牛について、BMSナンバーや枝肉重量に比較的大きな影響を与えるQTLアリル型をDNAマーカーにより判定し、交配に活用した場合の経営的有利性を定量的に検討できるプログラムを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本プログラム”BeefIncome”は、黒毛和種繁殖肥育一貫経営農家において、BMSナンバー(BMS)や枝肉重量(CW)に影響を与える優良QTLアリルをDNAマーカーにより判定し、交配に活用した場合の販売収益上昇額を算出するためのプログラムである。
  2. 本プログラムは次のパラメータを入力する。(1)初期のアリル頻度(Qini)、(2)繁殖雌牛の総数(N)、(3)計画年数(Yearl)、(4)BMSに関わるQアリルを1個持つことで得られる枝肉単価上昇分(VBMS)、(5)CWに関わるQアリルを1個持つことで得られる枝肉重量上昇分(VCW)、(6)DNAタイピング料金(Ctype)、(7)使用する精液差額(SEM)、(8)シナリオ番号(Scenario)(図1)。
  3. ソースプログラム名は、BeefIncome30.forおよびBeefIncome300.forであり、使用言語はFORTRAN90/95である。BeefIncome30.forおよびBeefIncome300.forはそれぞれ種雄牛1頭あたり交配する繁殖雌牛頭数30頭の場合(小規模農家)と300頭の場合(大規模農家)に対応している。
  4. シナリオは0(ハーディー・ワインベルグ平衡集団)と1~3(Qアリル型情報の有無)までの4種類がある(図1)。
  5. 肥育牛1頭当たりの販売収益上昇額の推定は、シナリオ1~3までの値からシナリオ0の値を差し引き求める。
成果の活用面・留意点
  1. 本プログラム”BeefIncome”は畜産草地研究所のウェブサイト(http://nilgs.naro.affrc.go.jp/prog/BeefIncome.html)よりダウンロードできる。
  2. 本プログラム”BeefIncome”を実行するためには、あらかじめパラメータファイルを作成し、実行プログラムと同一フォルダ内に保存しておく必要がある。
  3. 黒毛和種の遺伝的背景や飼養管理等の環境の影響によりQTLアリルの効果は変動する。
図表1 233882-1.jpg
カテゴリ 経営管理 飼育技術 DNAマーカー 繁殖性改善 ワイン

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