飼料用トウモロコシの有機栽培に活用できるシロクローバのリビングマルチ

タイトル 飼料用トウモロコシの有機栽培に活用できるシロクローバのリビングマルチ
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2002~2009
研究担当者 出口 新
魚住 順
金子 真
嶝野英子
発行年度 2009
要約 シロクローバのリビングマルチにより、飼料用トウモロコシを無農薬で栽培することができる。また、トウモロコシの播種の前に、シロクローバの上から堆肥を表面施用することで、トウモロコシの収量がさらに増加し、無化学肥料栽培が充分可能となる。
キーワード リビングマルチ、トウモロコシ、有機栽培、シロクローバ
背景・ねらい 食の安全性に対する社会的関心の高まりに伴い、飼料用トウモロコシの有機栽培に対する要望が増加している。リビングマルチ栽培とは、主作物の畝間に被覆植物を導入することで、除草剤を用いることなく雑草の抑制を図る栽培法である。そこで、シロクローバを被覆植物として用いたリビングマルチによるトウモロコシの有機栽培を、場内試験および実規模での現地試験により実証する。
成果の内容・特徴
  1. 被覆植物としてあらかじめ定着させておいたシロクローバの立毛中に、トウモロコシを不耕起播種し、シロクローバとの生育競合を避けるため、シロクローバ地上部をトウモロコシの出芽前にディスクモア等で刈り払う(図1)。
  2. リビングマルチ栽培により、除草剤を用いることなくトウモロコシ収穫時の雑草が大幅に減少し、除草処理を行った耕起栽培と同程度のトウモロコシの乾物収量が得られる(表1)。
  3. 実規模栽培においても、リビングマルチ栽培により、トウモロコシ収穫時の雑草(ブタクサ、ホソアオゲイトウなど)が大幅に減少し、トウモロコシの乾物収量が高まる(図2、表2)。さらにトウモロコシ播種当年の春に、シロクローバの上から堆肥を表面施用することで、トウモロコシの乾物収量とTDN含量がさらに高まる。
成果の活用面・留意点
  1. 場内試験は、岩手県盛岡市の東北農業研究センター内圃場(黒ボク土)、現地試験は有機農産物のJAS規格に準拠した飼料生産を行っている青森県横浜町の圃場(2ha:砂丘未熟土)において行った。
  2. シロクローバは2kg/10a程度を越冬可能な時期に播種する。刈り払ったシロクローバは圃場から搬出する必要はない。
  3. 東北北部ではトウモロコシの収穫期とシロクローバの播種期が重なるために、トウモロコシの一年一作は出来ない。
図表1 233911-1.png
図表2 233911-2.png
図表3 233911-3.png
図表4 233911-4.png
カテゴリ 有機栽培 肥料 病害虫 有機農産物 雑草 除草 除草剤 飼料用作物 とうもろこし 農薬 播種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる