高消化性遺伝子bmr-18を持つソルガム一代雑種親自殖系統「JK2」

タイトル 高消化性遺伝子bmr-18を持つソルガム一代雑種親自殖系統「JK2」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 1999~2009
研究担当者 高井智之
我有 満
山下 浩
桂 真昭
松岡秀道
後藤和美
小橋 健
発行年度 2009
要約 ソルガム一代雑種親自殖系統「JK2」は、スーダングラスに属し中生で高消化性遺伝子bmr-18を持ち、スーダン型ソルガム(子実型×スーダングラス)の一代雑種品種「九州交3号」の花粉親系統として利用できる。
キーワード ソルガム、一代雑種、自殖系統、スーダングラス、高消化性、bmr-18
背景・ねらい ソルガムの栽培品種は、細胞質雄性不稔系統を種子親とし、自殖系統を花粉親とする一代雑種(F1)が主流である。優良F1品種の育成には優秀な親系統の育成が不可欠である。とくにソルガムでは、高消化性遺伝子を利用することで品質(消化性・採食性)の改善が可能であり、そのために、親系統に高消化性遺伝子を導入するとともに、さらに一代雑種の収量性、耐倒伏性、耐病性などの諸特性が優れる親自殖系統の育成が必要である。そこで、雄性不稔を利用したF1品種の花粉親系統として利用できる自殖系統を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「I.S.3337(多茎、細茎)×68-1(bmr-18)」を母材とし、耐病性および耐倒伏性等で選抜して育成した自殖系統である(写真1)。
  2. 葉身の中肋色は褐色でbmr-18遺伝子を持つ(表1)。
  3. 早晩性は中生に属する。稈長は約2mの中稈で、稈径は8.6mmとやや細く、茎は乾性である(表1)。
  4. 隔離採種における採種量は、24.2kg/a 程度である(表1)。
  5. 子実の粒色は薄茶色で、千粒重は11.6g程度である(表1)。
  6. すす紋病抵抗性は「中」であり、紫斑点病は「弱」である(表2)。
  7. 本系統を花粉親とする一代雑種「九州交3号」は、晩生で、乾物収量は「SSR4」比107%とやや多収である。高消化性遺伝子を持ち、bmr-6標準品種「SSR4」よりリグニン含量が低く、推定TDN含量は 「SSR4」と同程度である(表3、写真1)。
成果の活用面・留意点
  1. スーダン型ソルガム一代雑種「九州交3号」の花粉親として利用できる。
  2. 高消化性遺伝子bmr-18を有するスーダングラスで、スーダン型ソルガムの花粉親系統として利用できる。
  3. すす紋病抵抗性は「中」、紫斑点病は「弱」なので、これらの病害が多発する地帯では採種栽培を避ける。
図表1 233929-1.png
図表2 233929-2.png
図表3 233929-3.png
図表4 233929-4.png
カテゴリ ソルガム 抵抗性 品種

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