O157が牛腸管を通過する際のDNA脱落が分子疫学的解析に影響する

タイトル O157が牛腸管を通過する際のDNA脱落が分子疫学的解析に影響する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2003~2007
研究担当者 秋庭正人
吉井紀代
小椋義俊
林 哲也
網代 隆
鮫島俊哉
中澤宗生
楠本正博
岩田剛敏
発行年度 2009
要約 腸管出血性大腸菌O157が牛の腸管を通過する際に染色体DNAが脱落し、これがパルスフィールドゲル電気泳動パターンに影響するため、本法による分子疫学的解析の際には注意が必要である。
キーワード 牛、腸管出血性大腸菌O157、パルスフィールドゲル電気泳動、染色体DNA、脱落
背景・ねらい 腸管出血性大腸菌O157(O157)はヒトの食中毒原因菌の一つである。牛はO157の保菌動物であり、ヒトへの感染源として中心的な役割を果たしている。O157の感染源を特定するための分子疫学的解析には、パルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE)による菌株の識別が広く行われている。しかし、O157は牛の腸管を通過する過程で、そのPFGEパターンが変化することがあり、データの不安定性も指摘されている。本研究では牛腸管を通過する間にO157のPFGEパターンが変化する機構の一端を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 4頭の牛にO157を経口投与すると、投与後39日目まで糞便からO157が分離できる。1サンプルからコロニー8個を釣菌、保存することで、合計900株以上のO157が回収できる。
  2. 回収されたO157のDNAを制限酵素XbaIで消化後、PFGEを行うと、約30%が投与菌(In)と異なるPFGEパターン(A~L)を示す(図1)。
  3. 投与菌と異なるPFGEパターンを示す菌株を全ゲノムPCRスキャンニング等の手法で解析することにより、染色体DNAの脱落に伴うXbaI制限断片(XbaI消化により生成されるDNA)サイズの変化を特定できる。(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. O157のPFGEパターンにおいて染色体DNAの脱落により生じるバンド数の相違は2または3本である。PFGEによるO157疫学解析の際にはバンド3本までの相違は由来が同一である可能性を考慮すべきである。
  2. 染色体DNAの脱落は牛の腸管を通過したO157 PFGEパターンに認められる全ての変化を説明するものではない。
図表1 233960-1.png
図表2 233960-2.png
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