セジロウンカの加害でイネに誘導される白葉枯病抵抗性にはヒドロペルオキシドリアーゼが関与する

タイトル セジロウンカの加害でイネに誘導される白葉枯病抵抗性にはヒドロペルオキシドリアーゼが関与する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2006~2009
研究担当者 真田幸代
佐藤 雅
五味剣二
小澤理香
松村正哉
菅野紘男
高林純示
発行年度 2009
要約 セジロウンカが加害したイネでは病害抵抗性関連遺伝子のうちヒドロペルオキシドリアーゼ2遺伝子 (OsHPL2)が強く誘導される。OsHPL2とその産物である青葉アルデヒドが白葉枯病に対する抵抗性に関与している。
キーワード セジロウンカ、誘導抵抗性、ヒドロペルオキシドリアーゼ、青葉アルデヒド
背景・ねらい セジロウンカの吸汁加害を受けたイネでは、イネの重要病害であるいもち病(Kanno et al., 2005;Satoh et al., 2005)や白葉枯病(九州沖縄農業研究成果情報第19号)に対する抵抗性が誘導される。しかし、白葉枯病に対する抵抗性が他のウンカ種の加害でも誘導されるか、また、イネ体内における抵抗性誘導メカニズムについては不明である。そこで、白葉枯病に対する誘導抵抗性発現に重要な働きをするイネの遺伝子や抗菌物質を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 白葉枯病に対する抵抗性の誘導はセジロウンカの加害によってのみ認められる(図1)。
  2. マイクロアレイ解析から、セジロウンカが加害したイネでは病害抵抗性関連遺伝子のうちヒドロペルオキシドリアーゼ2遺伝子 (OsHPL2)が強く誘導される。(データ略)。
  3. OsHPL2を過剰発現させた組換体イネには白葉枯病に対する抵抗性の誘導が認められる(図2)。
  4. OsHPL2によって合成される青葉アルデヒドはセジロウンカの加害を受けたイネのみ多く生成される(図3)。また、青葉アルデヒドを蒸気処理したイネでは、白葉枯病の病斑長が抑制される(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. プラントアクチベーター(病害に対する防御機構を活性化させる薬剤)等の新たなイネ病害の防除剤の開発や、病害に強いイネを作出する際の基礎データとなる。
図表1 234150-1.png
図表2 234150-2.png
図表3 234150-3.png
図表4 234150-4.png
カテゴリ 病害虫 いもち病 抵抗性 病害抵抗性 防除 薬剤

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