底びき網で水揚げされるアカガレイの鮮度

タイトル 底びき網で水揚げされるアカガレイの鮮度
担当機関 京都府農林水産技術センター
研究期間 2007~2008
研究担当者 山崎 淳
宮嶋俊明
発行年度 2009
要約 漁獲後のアカガレイの鮮度をK値により調べたところ、保管温度が低いほど鮮度低下の速度が遅いことが明らかとなった。「改良網」で漁獲されたアカガレイは、通常網で漁獲された場合に比べ、鱗の剥離や傷等がみられる個体の出現頻度が低く、また、同一条件で保管したときの鮮度は、前者が後者よりも良好であった。(改良網については平成16年度水産研究開発成果情報NO.1129を参照)
背景・ねらい アカガレイは資源回復計画の対象種であり、底びき網漁業の重要資源である。本種漁獲量は平成4年頃までは減少傾向を示していたが、近年は卓越年級群の加入や漁獲努力量の削減等により回復してきている。一方、産地市場での単価は低迷しており、漁業経営安定のためには付加価値の向上が望まれている。そこで、まず鮮度保持のための基礎調査を行う。
成果の内容・特徴
  • 底びき網で水揚げされたアカガレイを1℃、5℃及び10℃で保管したときの水揚げから48時間後のK値は、それぞれ約10%、30%及び65%と保管温度が高いほどK値の上昇も高かった。
  • ズワイガニ等の混獲を軽減するために開発された「改良網」で水揚げされるアカガレイは、通常網で水揚げされるアカガレイに比べ、曳網、揚網時にズワイガニ等と擦れ合うことがないため鱗の剥離や傷等が少なく、また同一条件で保管された場合のK値は、前者が後者よりも有意に低いことが明らかとなった。
  • うま味の増強成分であるイノシン酸含有量は、K値が高いほど少なかった。このことは、アカガレイのうま味の減少は鮮度低下と関係しており、鮮度を維持することの重要性を示唆している。
成果の活用面・留意点
  • 鮮度維持のための保管温度は1℃前後が効果的であり、この温度は発泡スチロール箱に砕氷を十分に敷詰め、その上に魚体を置き、上蓋をすることで保つことが可能である。
  • 「改良網」で水揚げされるアカガレイは、特に高鮮度を維持することができるため、他との差別化を図ることが可能と考えられる。
図表1 234286-1.png
図表2 234286-2.png
図表3 234286-3.png
カテゴリ 経営管理

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