タイトル |
フリーのクラウドサービスを活用できる小型・低コストのフィールドサーバ子機 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2004~2010 |
研究担当者 |
平藤雅之
世一秀雄
三木悠吾
松本恵子
木浦卓治
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発行年度 |
2010 |
要約 |
本フィールドサーバ子機は太陽電池で稼働し、土壌水分などの多地点同時モニタリングを低コストに行うためのワイヤレスセンサノードとして簡単に利用できる。計測データはTwitter等のクラウドサービスを用いて閲覧・記録ができる。
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キーワード |
フィールドサーバ、クラウド、センサノード、モニタリング
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背景・ねらい |
土壌水分、果樹の樹体水分、LAI等の多地点同時計測及びこれらの情報に基づいた潅水制御を行うには、設置が簡単で低コストのセンサノードが必要である。加えて、プロジェクト研究で開発されたアプリケーションはプロジェクト終了後の維持が困難であるという問題がある。これらの問題を同時に解決する手段として、フリーのクラウドサービス及びオープンソース技術を活用したフィールドサーバ子機を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本装置(以下、子機)はフィールドサーバの子機あるいは機能限定型フィールドサーバとして用いることができ、高機能フィールドサーバと組み合わせることでコストパフォーマンスの高いセンサネットワークを構築できる。筐体(フィールドサーバと共通)、人感センサ付きLEDライト、太陽電池、バッテリ、センサ、電子回路部(Arduino, Ethernetインターフェイス基板, 電磁弁制御回路、無線LAN等)からなる(図1、表)。材料費は2~3万円/台である。
- 電子回路部にオープンソースハードウェア(Arduino)を採用し、単品生産でも低コスト化が可能となる。フリーのソフトウェア開発ツール(Arduino IDE)や様々なライブラリが公開されており、ソフトウェア開発コストも削減できる。
- 計測データは、フリーのクラウドサービスであるTwitter(http://twitter.com/)を用いて記録及び閲覧を行う(図2)。Twitter側(Twitter API)の制限から、記録頻度は350回/h以下、記録可能なデータ数は3200件までであり、アーカイブにはTwilog(http://twilog.org/)を用いる(図3)。データの解析やグラフ化などはTwilogのデータをコピー&ペーストすればExcel等できる。このように複数のクラウドサービスを活用することで、ストレージサーバ等の維持管理が不要となり、その結果としてサービスの持続性と頑健性(ロバスト性)が向上する。
- 本機は親機(既存の高機能フィールドサーバ)が作り出す無線LANスポット内でクライアントとして接続し、一定時間ごとデータを送信(Tweet)する。現地でのソフトウェアの細かな設定は不要であり、本機を埋設するだけで設置が完了する。
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成果の活用面・留意点 |
- 太陽電池の発電量は日射量に依存するため、不足する場合には増やす必要がある。
- Arduinoには子供向けの簡易ソフトウェア開発ツール(Scratch)が提供されているため、教材としても活用できる。
- いもち病発生予察システム(MetBlastam)など、フィールドサーバ用に開発された各種アプリケーションはエージェント(TwitterではBot)として稼働するよう一部のコードを書き直し、GAE(Google App Engine)などクラウドサービス上で稼働させれば、持続的に利用できる。グラフ化等を行うBotを今後開発する予定である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
いもち病
コスト
低コスト
モニタリング
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