タイトル | 腸管出血性大腸菌O157ゲノムの多様化を引き起こす因子の発見 |
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担当機関 | (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 |
研究期間 | 2009~2010 |
研究担当者 |
楠本正博 大岡唯祐 西矢芳昭 小椋義俊 齋藤 貴 関根靖彦 岩田剛敏 秋庭正人 林 哲也 |
発行年度 | 2010 |
要約 | 腸管出血性大腸菌O157で発見された新規蛋白質IEEは、ゲノム上の挿入配列(IS)の除去を促進し、ゲノムの多様化を引き起こす。IEE産生遺伝子を保有する細菌の識別には、ISを利用した分子疫学的解析が有効と考えられる。 |
キーワード | 腸管出血性大腸菌O157、ゲノム多様性、IEE(IS-excision enhancer)、IS-printing法 |
背景・ねらい | 腸管出血性大腸菌O157(O157)は食品媒介性の人獣共通感染症を引き起こし、人では重篤な合併症を経て死に至るリスクがある。O157の主な保菌動物は牛であることから、食肉の生産段階で安全性を確保すると同時に、その伝播経路を迅速に特定・遮断することが重要である。O157の伝播経路は、主に牛の腸管内で生じると考えられるゲノムの多様性を解析し、個々の菌株を識別することにより特定できる。O157のゲノムには転移因子、中でも挿入配列(IS)が数多く存在しており、その転移がゲノムの多様化に大きく関与することが示されている。O157は遺伝的な同一性が高いため、近年、伝播経路の特定にはゲノムにおけるIS629の分布パターンを解析する新しい菌株識別技術(IS-printing法、図1)が注目されているが、本技術はISの除去を介したゲノムの多様化が起こる菌に対して特に有効と考えられる。そこで本研究では、O157においてIS629分布の多様化が起こるメカニズムを明らかにし、IS-printing法の有効性を評価する。 |
成果の内容・特徴 |
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成果の活用面・留意点 |
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図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 豚 |