タイトル |
カボチャのポット苗とセル成形苗の植え付けが可能な移植機構 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
2007~2010 |
研究担当者 |
村上則幸
辻 博之
杉山慶太
杉戸智子
嘉見大助
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発行年度 |
2010 |
要約 |
ユニットの交換によってポット径12cmまでのポット育苗苗と1辺3cmのセル成形苗の植え付けが可能な移植機構である。開発機の作業速度はカボチャのセル成形苗で7.7cm/秒、マルチ栽培に対応できる。
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キーワード |
ポット苗、カボチャ、マルチ栽培、半自動
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背景・ねらい |
カボチャなどの野菜栽培では、作業競合などの問題からポット苗とセル成形苗をともに利用することがあるが両方式の移植機を装備するのはコスト面から負担が大きい。そこでユニットの交換によって、セル成形苗及びポット苗をともに移植可能な移植機を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 開発機構を搭載した移植機は苗の供給を人力により行う半自動式のトラクタ直装式で、開孔器の昇降並びに開閉はトラクタの油圧を利用する。植付けはゲージホイールからの移動距離情報により、油圧シリンダを制御して行う。ユニットの交換により、セル成形苗、ポット苗に対応できる(図1、表1)。
- 移植機はセンサにより開孔器が土中に差し込まれたことを感知した後、開孔器を開いて苗を土中に放出し、後方の鎮圧輪により土寄せする。開孔器引き上げの際、マルチフィルムを裂かないように、後方に開孔器が移動するスライド機構を備えている。前方の鎮圧輪によってマルチフィルムの持ち上がりを抑えてフィルムが破けることを防止することができる(図1)。また、開発機構はフィルムを直線状に開くため、移植後の土面の露出が少ない(写真1)。
- 植え付け後(一部マルチフィルムの下になった株を手直し)苗はすべて活着した。株間、開孔径の変動は10%以内である(表2)。
- 「えびす」(設定株間:50cm、使用マルチ被覆材:スミトモグリーン(厚さ:0.02mm))を対象とした苗移植試験の結果、ポット苗、セル成形苗共に作業速度4.3cm/秒で移植可能であり、慣行移植機(B社製歩行型半自動移植機)の1/4程度(慣行:15~19cm/秒)である。セル成形苗については、スライド駆動部分を改良・調整した8月17日の試験結果から、慣行移植機の約1/2、7.7cm/秒でも作業が可能である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 移植機開発での資料とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
かぼちゃ
コスト
野菜栽培
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