バヒアグラス草地へのイタリアンライグラスの簡易なオーバーシーディング法

タイトル バヒアグラス草地へのイタリアンライグラスの簡易なオーバーシーディング法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 山田明央
小路 敦
金子 真
中村好徳
発行年度 2010
要約 バヒアグラス草地を周年放牧利用するためには、オーバーシーディング前のバヒアグラスの草高を低く管理した上で9月下旬にイタリアンライグラス種子を5kg/10a散布後、完熟堆肥を3t/10a覆土代わりに散布すると定着茎数と収量が向上する。
キーワード イタリアンライグラス、オーバーシーディング、堆肥、バヒアグラス
背景・ねらい 冬季も比較的温暖で積雪のない九州低標高地帯では、夏季草地と共にイタリアンライグラス草地を造成して冬季間利用することによる周年放牧が可能である。しかし、夏季利用草地と別に冬季利用草地を準備することには土地利用上の制約が多い。よって、同一草地を周年的に放牧利用する目的で夏季の基幹的放牧草地であるバヒアグラス草地上に簡易で効率的にイタリアンライグラスを散播(オーバーシーディング)し、高い定着率を実現する草地造成技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 所内バヒアグラス刈り取り管理草地でのオーバーシーディングによる2年間の品種比較試験の結果、イタリアンライグラスの品種の内、ヒタチヒカリが秋季の生産量及び利用期間を通じての乾物収量が安定して高く、冬季間も比較的生産が持続する品種である(図1、表1)。
  2. 刈り取り管理草地で行った試験結果では9月下旬にイタリアンライグラス種子を5kg/10aバヒアグラス草地上にオーバーシーディングし、化学肥料を窒素・リン酸・カリ各5kg/10aずつになるよう散布した後に完熟堆肥を覆土代わりに1,2,3t/10a散布すると、無散布に比べ散布区の初期収量が高く、散布区の中では3t/10a区が最も高い(図2)。また、イタリアンライグラスをオーバーシーディングする際には、バヒアグラスの草高が低いほど初期収量が高い(図2)。
  3. 実際の放牧草地においても、バヒアグラス草地の掃除刈りの有無と播種後堆肥散布の有無を組み合わせた場合、播種前に掃除刈りし、播種後に堆肥を3t/10a散布した区の初期生産量が高く、定着茎数も多い(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 永年性のバヒアグラス草地上にイタリアンライグラスをオーバーシーディングすることで、同一圃場を周年放牧利用できる。
  2. 堆肥は必ず完熟したものを用い、堆肥施用量は各県の施肥基準に準拠する。
  3. 定着率を高めるには播種・堆肥散布後5日ほどの放牧と、その後1か月の休牧期間を設けることが望ましい。
  4. イタリアンライグラスの晩生品種を使うので、バヒアグラスの良好な再生を促すために4月上旬から放牧圧を高め、イタリアンライグラスの草高を低く管理する必要がある。
図表1 234774-1.png
図表2 234774-2.png
図表3 234774-3.png
図表4 234774-4.png
カテゴリ 肥料 イタリアンライグラス 施肥 播種 品種

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