極早生品種を利用した九州中北部向けサイレージ用トウモロコシ2期作栽培技術

タイトル 極早生品種を利用した九州中北部向けサイレージ用トウモロコシ2期作栽培技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2007~2010
研究担当者 加藤直樹
服部育男
吉川好文
村木正則
山田明央
佐藤健次
発行年度 2010
要約 九州中北部では1作目に極早生品種を4月上旬に播種して7月下旬に収穫し、2作目に晩生品種を8月上旬に播種すると、2作とも乾物率約25%以上となり排汁等による栄養損失が少ないサイレージ原料を生産できる。
キーワード 飼料用トウモロコシ、2期作、収量、サイレージ、乾物率、九州中北部
背景・ねらい 九州地域での飼料用トウモロコシ2期作栽培では1作目にRM110以上(RMは品種の早晩性を示し、晩生品種ほど値が大きい)の早生・中生品種が主に利用されているが、梅雨明けが7月中旬以降の九州中北部(熊本県以北)では、日照時間の減少により登熟が遅れやすい。このため2作目の播種も遅れ、秋冷により熟期が進まず収量が減収する。また、収穫適期よりも早い収穫では水分含量が高く、サイレージ調製時に排汁等の栄養損失が生じたり、不良発酵による品質低下の原因となる。そこで1作目に寒冷地向けの極早生品種(RM110以下)を利用し、九州中北部においても、収穫適期の目安となる乾物率25%に安定的に到達し、多収が期待できる飼料用トウモロコシ2期作栽培技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 1作目を4月上旬に播種した場合、極早生品種は梅雨明けの時期に関わらず7月下旬には黄熟期に到達し、収穫適期の目安である乾物率25%を超える(表1、表2)。
  2. 1作目を7月下旬に収穫する場合、極早生品種は生草収量で早生・中生品種より低いが、乾物収量およびTDN収量は同程度である(表1、表2)。
  3. 2作目の晩生品種の播種が8月中旬以降になると乾物収量、乾物率ともに大きく低下するため、8月上旬までの播種が望ましい。(図1)
  4. 1作目に極早生品種を用いた本体系と、早生・中生品種を用いた慣行体系を比較すると、合計収量は同程度だが極早生品種を利用する体系の乾物率は約25%以上と安定して高く、排汁の発生や不良発酵による品質低下が少ない良質なサイレージ原料を生産できる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 九州南部(鹿児島、宮崎)では、慣行体系でも1作目の日照が確保され登熟が早い結果が得られており、本体系を適用する必要はない。
  2. 本体系ではフタテンチビヨコバイの密度が比較的低い8月第1半旬(1~5日)に2作目を播種できるため、ワラビー萎縮症被害の軽減にも有効である。
  3. 極早生品種の利用にあたっては地域により発生が予想される根腐病、ごま葉枯病等の病害に抵抗性を持つ品種を選択する。
図表1 234775-1.png
図表2 234775-2.png
図表3 234775-3.png
図表4 234775-4.png
カテゴリ ごま 栽培技術 飼料用作物 抵抗性 とうもろこし 根腐病 播種 品種

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