TMRセンターを核とする飼料イネ、焼酎粕濃縮液等の調製・利用システム

タイトル TMRセンターを核とする飼料イネ、焼酎粕濃縮液等の調製・利用システム
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 佐藤健次
神谷 充
鈴木知之
服部育男
小荒井晃
中野 洋
原 嘉隆
西村和志
田中正仁
神谷裕子
上村昌志
発行年度 2010
要約 飼料イネ、焼酎粕濃縮液等をTMRセンターで発酵TMRに調製し、乳用牛や肉用牛に給与して飼料自給率を向上するシステムである。TDN自給率は泌乳牛で26ポイント、肥育牛(仕上げ期)で40ポイント以上向上できる。
キーワード 飼料イネ、焼酎粕濃縮液、TMRセンター、発酵TMR、泌乳牛、肉用牛
背景・ねらい 耕種農家が飼料イネを栽培し、そのサイレージを畜産農家が給与するという耕畜連携システムがある。しかし、現実のシステムでは、生産された飼料イネが大家畜に給与されるまでの地域的な物流の連携が十分ではないため、飼料自給率の向上に寄与できる地域利用システムが求められている。そこで、物流で重要な商品として、飼料イネ(イネWCS、飼料米)に九州地域で多量に発生する焼酎粕濃縮液等を加えた発酵TMRを製造し、利用するシステムを構築する。
成果の内容・特徴
  1. 本システムでは、a)水田地帯で生産される飼料イネ(イネWCS、玄米)および、b)粗蛋白質含量20~55%等の焼酎粕濃縮液を、c)TMRセンターへ搬入、発酵TMRに調製後、提示メニューに沿って畜産地帯のd)乳用牛およびe)肉用牛へ給与し、飼料自給率を向上できる(図1)。
  2. カンショおよび米の焼酎粕濃縮液は、乾物率で各々52.3%と29.6%、CP(粗タンパク質)で各々22.8%と50.2%、TDN(可消化養分総量)で各々76.4%と81.9%と、化学組成および栄養価が異なる(表1)。
  3. 乳量約24kg/日の乳牛では、100%輸入飼料の飼料構成と比較してカンショ焼酎粕濃縮液添加で約11ポイント、イネWCSの混合で約15ポイントのTDN自給率向上の効果があり、合計で26ポイントの自給率を向上できる(表2)。
  4. 肥育牛(格付成績A4、A5レベル)の仕上げ期では、飼料用米(玄米、無処理)とカンショ焼酎粕濃縮液を飼料構成に加えることで、慣行の飼料と比較して枝肉重量および肉質に遜色なく、TDN自給率は40ポイント以上向上する(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 自給粗飼料や食品残さ等を利用するためTMRセンターを設置し、畜産地域の飼料自給率を向上する場合に活用できる。
  2. 詳細は、農研機構 九州沖縄農業研究センター イネ発酵TMR研究チームのマニュアルにより確認できる(平成23年3月発行)。
  3. 飼料米を大家畜に給与する場合、充分な消化率を得るには粉砕、破砕、圧ぺん等の処理が必要である。
図表1 234782-1.png
図表2 234782-2.png
図表3 234782-3.png
図表4 234782-4.png
カテゴリ かんしょ 飼料用米 水田 肉牛 乳牛

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