春季の黒潮・親潮移行域と黒潮続流域における頭足類の分布を明らかにする

タイトル 春季の黒潮・親潮移行域と黒潮続流域における頭足類の分布を明らかにする
担当機関 (独)水産総合研究センター 北海道区水産研究所
研究期間
研究担当者 山下紀生
森 賢
船本鉄一郎
千村昌之
山下夕帆
発行年度 2010
要約 2004年~2007年の春季の黒潮・親潮移行域(以下、移行域)並びに黒潮続流域(以下、続流域)の頭足類の分布を明らかにした。この海域ではホタルイカモドキ科のホタルイカとアカイカ科のスルメイカが優占していた。両種は、移行域に多く分布しているが、その分布様式は流れや暖水渦の形成状況によって影響を受けていると考えられた。
背景・ねらい
  • 春季の移行域は、仔稚魚の主要な育成場の1つであり、太平洋に分布する小型浮魚類やスルメイカの加入量を決定する海域と考えられている。
  • この海域には、スルメイカに加えホタルイカモドキ科などの頭足類も多く分布している(図1)。
  • これら頭足類の分布、回遊パターンと海洋構造の関係を解明し、加入量変動に影響を及ぼす海洋環境の変化を特定することにより、スルメイカの加入量予測精度の向上が期待される。
  • そこで2004年から2007年に黒潮続流域から移行域にかけて実施した表中層トロール調査から、頭足類の分布を明らかにするとともに、主要頭足類の分布様式と海洋構造の関係について検討した。
成果の内容・特徴
  • 2004年~2007年の続流域および移行域には、少なくとも22種の頭足類が分布しており、個体数組成でみるとホタルイカモドキ科、アカイカ科、ツメイカ科が優占していた(図2)。
  • ホタルイカモドキ科ではホタルイカ、ホタルイカモドキ、カリフォルニアホタルイカが主要種であり、ホタルイカとカリフォルニアホタルイカは移行域を、ホタルイカモドキは続流域を分布の中心としていた。
  • アカイカ科では、スルメイカ、スジイカ、アカイカが主要種であり、スルメイカは移行域を、スジイカとアカイカは続流域を分布の中心としていた。
  • スルメイカの外套背長組成は、続流域、移行域西側、移行域東側の順に有意に大きくなることから、産卵場から移送された本種は、移行域内を東方へ移動していると考えられた(図3)。
  • スルメイカとホタルイカの分布様式は、移行域内の海流や暖水渦の形成状況などの海洋環境の変化に大きく影響を受けていることが推察された。
成果の活用面・留意点
  • スルメイカ冬季発生系群の加入量予測の精度向上並びに資源変動機構の解明に貢献する。
  • スルメイカの生残機構を明らかにしていくため、成長履歴等を解析する必要があり、平衡石による日齢査定に関する研究を進めている。
図表1 234929-1.png
図表2 234929-2.png
図表3 234929-3.png
図表4 234929-4.png
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