日本海海況予測システムを用いた日本海沿岸域におけるスルメイカの漁期・漁場予測手法の開発

タイトル 日本海海況予測システムを用いた日本海沿岸域におけるスルメイカの漁期・漁場予測手法の開発
担当機関 (独)水産総合研究センター 日本海区水産研究所
研究期間 2006~2010
研究担当者 木所英昭
発行年度 2010
要約 日本海海況予測システム(JADE)による水温予測図を用いて日本海沿岸域のスルメイカの漁獲量変動を予測システムを作成した。このシステムで予測された漁獲量の変化は、2007年~2009年の5月~6月における金沢港、新潟港および青森県の漁獲量の変化をうまく示しており、このシステムを用いて日本海沿岸域におけるスルメイカの漁期・漁場の予測精度が向上することが期待される。
背景・ねらい スルメイカは概ね良好な資源水準を維持しているが、魚価の低迷や燃油高騰によって漁業者の経営が圧迫されている。そのため、効率的な漁場探索および漁場利用方法による経費削減が求められている。そこで日本海沿岸域を対象に海洋環境(水温)からスルメイカの分布を予測するとともにネットワークを通じて情報提供し、漁場探索および漁場利用経費を削減し、漁業者の経営安定化を支援する手法の開発を目指した。
成果の内容・特徴 スルメイカの分布は、日本海海況予測システムによる水温予測と、スルメイカの分布と水温の関係から予測した。水温とスルメイカの分布の関係は、過去の調査船調査結果をもとに、各水温条件(表面水温と水深50m水温)におけるスルメイカの分布密度の指標値(調査船のCPUE:釣機1台1時間あたりの採集個体数)の平均として求めた。スルメイカの分布予測結果は、緯度経度5分精度のGISマップとして示され、現在、インターネット(http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/shigen/kaikyo2/)を通じて情報提供されている。
今回は、金沢港、新潟港、青森県に水揚げする沿岸いか釣り漁船の想定漁場(概ね緯度90分、経度60分の範囲)における分布予測値を集計し、実際の漁獲量の変化との対応を検討した。
基本的に、各漁場における予測分布量の変化と漁獲量の日別変化傾向はほぼ一致しており、本システムを用いて漁獲量の変化をうまく予測できることが示された。ただし、金沢港で漁獲量の減少が分布密度の減少よりも早く見られたのは、新潟港の想定漁場における分布密度の上昇によって漁船が移動したためと考えられた。また、青森県で漁獲量の増加が分布密度の増加よりも遅く見られたのは、新潟の想定漁場における分布密度が比較的高い値を維持しており、漁船が新潟の想定漁場にとどまっていたためと推察された。
成果の活用面・留意点 現在、漁獲量の予測に関する情報はインターネットで提供されていないが、今後、漁獲量の予測状況も情報提供する予定である。その結果、いつ漁場にスルメイカが来遊してくるのか、また、移動していなくなるのかを予測することが可能となり、効率的な漁場利用に役立てられることが期待される。基本的に本システムでは1ヶ月先までの分布、漁獲量(相対値)の予測が可能であるが、遠い日の予測値ほど予測精度が低下することに留意する必要がある。
図表1 234956-1.png
図表2 234956-2.png
カテゴリ 経営管理

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