タイトル | 4.低エネルギー電子(ソフトエレクトロン)による穀物の殺菌 |
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担当機関 | 食品総合研究所 |
研究期間 | 1997~2001 |
研究担当者 |
等々力節子 大坪研一 岡留博司 豊島英親 林徹(現農林水産技術会議事務局) |
発行年度 | 2000 |
要約 | 低エネルギー電子(ソフトエレクトロン)の処理により、品質には影響を与えること無く穀物の殺菌を行うことができる。 |
背景・ねらい | 低エネルギー電子(ソフトエレクトロン)を用いた食品の処理技術は、従来のガンマ線照射に比べて、線源維持の必要がない、不必要な部分への放射線の照射を避けられる、装置が安価になるなどの利点が考えられる。本研究では低エネルギー電子ビームを用い、品質劣化を起こさずに穀類と他の食品原材料の殺菌技術の開発をする。 |
成果の内容・特徴 | 1.回動装置を用いて穀物表面に均一な電子ビームを照射した場合、玄米、籾、小麦、ソバの微生物数を10CFU/g以下にするために必要な最低のエネルギーは、75、160、75および130keVである(表1)。 2.玄米、小麦、ソバを上述の殺菌に必要な最低の電子エネルギーで処理した場合の粘度は、無処理のものと比べて有意な低下は無く(表2)、低エネルギー電子処理は、穀物内部の澱粉に影響しない。 3.殺菌可能なエネルギー条件の電子(60keVあるいは75keV)で、玄米(コシヒカリ)を処理し、90%以下あるいは88%以下の歩留まりのとう精を行うと、処理によって酸化した脂質は除かれ、可食部のTBA*値は無処理と同等の値を示す。 4.玄米を75keVまでのエネルギーの電子ビームで処理し、90%の歩留まりにとう精した後に炊飯し、物理特性を測定したところ、炊飯米の物理特性(堅さ、粘り)に影響を与えない。 以上から、低エネルギー電子の処理により、穀物の可食部の品質には影響を与えること無く、効率の良い殺菌ができる。 |
成果の活用面・留意点 | 低エネルギー電子の処理により、穀物の可食部の品質には影響を与えること無く、効率の良い殺菌ができる。 実用化のためのスケールアップには、穀物表面に電子を均一に当てるための搬送システムが、必要である。 |
図表1 | |
カテゴリ | 小麦 そば |