タイトル | 17.茶葉中のIgE抗体産生抑制物質ストリクチニン |
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担当機関 | 野菜・茶業試験場 |
研究期間 | 1996~2000 |
研究担当者 |
山本(前田)万里 立花宏文(九州大学) 宮瀬敏男(静岡県立大) |
発行年度 | 2000 |
要約 | ヒトB細胞株を用いて、茶葉中から見出した新たな抗アレルギー物質は、IgE産生B細胞への分化誘導(クラススイッチ)を抑制するストリクチニンである。 |
背景・ねらい | 社会問題化しているアレルギー疾患は、過度の免疫反応であり、医療費の増大への危惧、医薬品の抗アレルギー剤が持つ副作用への不安から天然物、特に食品中からの抗アレルギー物質の探索が強く求められてきた。そこで、ヒトB細胞株を用い、生理機能性が数多く報告されている嗜好飲料である茶葉中から抗アレルギー物質を探索し、その単離・精製を試みる。 |
成果の内容・特徴 | 1.ヒトB細胞株DND39のIL-4刺激時におけるIgE産生B細胞への分化誘導抑制(IgEクラススイッチ抑制)を調べるIgE重鎖胚型転写発現法(胚型転写物(CεGT)測定法)で探索して得られた茶葉中の新たな抗アレルギー物質は、図1のような分画法により分画されるFr.3(活性測定:図2)より精製・単離できるストリクチニンである(化学構造式:図3)。 2.ストリクチニンは、IL-4刺激によるC?GT発現を強く抑制し、効果は1μM以下で現れる(図4)。 3.ストリクチニンは、べにふじ等の乾燥茶葉中に約0.05%含有される。 |
成果の活用面・留意点 | 茶葉中に含まれるストリクチニンはアレルギー反応でも初期のIgE産生を抑制するので、ストリクチニンを多く含む品種の茶は、抗アレルギー性を有した機能性素材に利用可能である。本研究結果は、ヒト培養細胞を用いた検討で得られたものであり、ヒトでの効果(臨床)を確認する必要がある。 |
図表1 | |
カテゴリ | 乾燥 機能性 茶 品種 |